中学受験の算数を見ていると、あるところから急に
「難しくなった」
と感じる保護者の方が多くいらっしゃいます。
そのきっかけになりやすいのが、特殊算です。
- 旅人算
- 通過算
- 流水算
- 食塩水
- 年齢算
- つるかめ算
- 和差算
- 平均算
- 割合
こうした単元が出てくると、それまで順調だったお子さんでも、急に手が止まることがあります。
保護者の方も、
「ここまでは何とか見られたけれど、特殊算になるとよく分からない」
「解説を読んでも、なぜそうなるのか説明しにくい」
「公式を覚えても、少し問題が変わると解けなくなる」
と感じることが少なくありません。
今回は、なぜ特殊算が急に難しく感じられるのか、そしてどう整理すると見通しが立ちやすくなるのかについてお話しします。
あわせて最後に、今回出版したKindle本についてもご紹介します。

目次
特殊算が難しく感じられるのは、単元が増えるからだけではありません
特殊算が難しい理由として、よく
- 問題が複雑
- 文章が長い
- 公式が多い
といったことが挙げられます。
もちろん、それも理由の一つです。
ただ、実際に指導していて感じるのは、もっと大きな理由があるということです。
それは、
一つひとつの単元が別々のものに見えてしまうこと
です。
特殊算がバラバラの単元に見えてしまう
旅人算は旅人算。
通過算は通過算。
流水算は流水算。
食塩水は食塩水。
このように、子どもにとっては全部が別々の世界に見えます。
すると、そのたびに
「この単元はこの解き方」
「この問題はこの公式」
という形で覚えようとします。
一見すると、それで解けることもあります。
でも、少し数字が変わったり、聞かれ方が変わったりすると、すぐに崩れてしまいます。
解き方の暗記だけでは崩れやすい理由
特殊算で苦しくなるのは、単純に問題が難しいからだけではありません。
共通する考え方が見えていないまま、バラバラに覚えようとしてしまうこと。
ここに大きな原因があります。
つまり、特殊算で本当に必要なのは、単元ごとの知識を増やすことだけではなく、
- 共通する見方を持つことなのです。
- その手がかりを持てるようになるからです。

特殊算は「暗記の単元」ではなく「整理の単元」です
特殊算を教えていて、私がずっと感じてきたことがあります。
それは、特殊算は公式暗記だけで押し切ろうとすると苦しくなるということです。
もちろん、最低限の型や考え方を知っておくことは必要です。
ただ、本当に大切なのは、
- 何が同じなのか
- 何が違うのか
- 何が増えて、何が減っているのか
- 何が変わらず残っているのか
を見抜くことです。
何が同じで、何が違うのかを見る
たとえば年齢算なら、時間がたっても差は変わりません。
食塩水なら、状況によっては食塩の量が保存されます。
旅人算や通過算では、差や必要な長さがポイントになります。
こうして見ると、特殊算はただの計算問題ではありません。
条件を整理して、関係を見えるようにする単元なのです。
「差」と「保存」が見えてくると整理しやすくなる
私は長年、中学受験算数を教える中で、特殊算をできるだけ共通の視点で整理できないかを考えてきました。
その中で軸になると感じているのが、
「差」 と 「保存」です。
たとえば、
- 年齢算は「差」
- 和差算も「差」
- 旅人算も「差」
- 通過算も「差」や「必要な長さ」
- 食塩水は「保存」
- 平均算も「合計の保存」
- つるかめ算も「差」
というように、バラバラに見える単元の中にも、共通する見方があります。
もちろん、これだけですべてが解けるわけではありません。
それでも、こうした軸があるだけで、子どもの頭の中はかなり整理されます。
「この問題では何を見ればいいのだろう」
その手がかりを持てるようになるからです。

ご家庭で教えにくいのは、保護者の方が悪いわけではありません
特殊算になると、保護者の方から
「自分も昔やったはずなのに、うまく説明できない」
「解説を見れば分かるけれど、子どもに伝えようとすると難しい」
という声をよくいただきます。
これは、とても自然なことです。
なぜなら、多くの大人もまた、子どものころに
単元ごとの解き方として覚えてきた
からです。
親が説明しづらいのは自然なこと
ですから、
「親なのに説明できない」と落ち込む必要はまったくありません。
むしろ大切なのは、完璧に教えようとすることではなく、
- どこで止まっているのか
- 何が見えていないのか
- どこを整理すると楽になるのか
を一緒に見てあげることです。
家庭で使いやすい声かけの例
ご家庭でできる声かけとしては、たとえば次のようなものがあります。
「どこが同じかな?」
「何が増えたのかな?」
「何が変わっていないかな?」
「図にすると、どこが見えてくるかな?」
こうした問いかけだけでも、子どもの見方は少しずつ変わっていきます。
家庭での役割は、すぐに正しい解き方を教えることではありません。
見方を整える手助けをすること。
そこが大切だと思っています。

特殊算を見通しよくするキーワードは「差」と「保存」です
特殊算は、子どもにとっても保護者にとっても、ひとつの壁になりやすい単元です。
でも、それは
「才能がないから」
でも
「センスがないから」
でもありません。
多くの場合、
見方がまだ整理されていないだけ
です。
年齢算・和差算・旅人算に共通する「差」
差に注目すると、何が変わらず残るのかが見えてきます。
年齢算では差が変わらない。
和差算では差をのぞくと同じものが見える。
旅人算では速さの差が距離を縮める。
こうした見方がつながると、単元が別々に見えにくくなります。
食塩水・平均算に見られる「保存」
一方で、食塩水や平均算では、何かが保存されていると考えると整理しやすくなります。
食塩水なら食塩の量。
平均算なら合計。
見た目は違う問題でも、
何が変わらず残っているのか
を考えることで、問題の骨組みが見えやすくなります。

今回、その考え方を1冊のKindle本にまとめました
こうした見方は、単元ごとの解き方を増やすというより、
頭の中を整理するための「軸」を持つことに近いものです。
私は長年の指導の中で、この軸をできるだけわかりやすく1本にまとめたいと考えてきました。
そこで今回、その考え方を1冊のKindle本として形にしました。
本のタイトルと内容
タイトルは、
『中学受験 算数 9大特殊算 完全攻略 ― 中学受験算数を「差と保存」で読み解く思考法 ―』
です。
本書では、旅人算・通過算・流水算・食塩水・年齢算・つるかめ算・和差算・平均算・割合という、中学受験で重要な特殊算を取り上げています。
ただ単に解き方を並べるのではなく、
・どこに「差」を見るのか
・何が「保存」されているのか
・どう図にすると整理しやすいのか
という視点で、できるだけ一貫して理解できるようにまとめました。
この本で意識したこと
この本で意識したのは、
「覚える本」ではなく、「見方が整う本」にすることです。
特殊算は、単元ごとの公式だけを追いかけると、少し問題が変わったときに崩れやすくなります。
反対に、共通する見方が持てるようになると、初めて見る問題にも落ち着いて向き合いやすくなります。
お子さん自身の理解を深めたい方はもちろん、
ご家庭でどのように声をかければよいか悩んでいる保護者の方にも、役立つ内容にしたいと考えました。
算が苦手なお子さんや、どう支えればよいか悩む保護者の方にとって、
見通しを持つための1冊
にはなるはずです。

この本は、こんな保護者の方におすすめです
この本は、たとえば次のような保護者の方におすすめです。
- 特殊算になると、お子さんの手が止まりやすい
- 解説を見ても、なぜそうなるのか説明しづらい
- 公式暗記ではなく、考え方から理解させたい
- 中学受験算数を、家庭でも少し見てあげたい
特殊算を「別々の難しい単元」としてではなく、
「整理の仕方に共通点がある単元」として見られるようになると、見通しはかなり変わってきます。
だからこそ、ただ問題を増やすよりも、
考え方の軸を持つこと
が大切だと感じています。
ご興味のある方へ
もしご興味がありましたら、ぜひご覧ください。
『中学受験 算数 9大特殊算 完全攻略
― 中学受験算数を「差と保存」で読み解く思考法 ―』
Amazonにて販売中です。
Amazonの商品ページはこちらです。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0GSCY7MRR
ありがたいことに、すでにレビューもいただいています。
詳しいご感想は、Amazonの商品ページでご確認いただければと思います。
この本では、特殊算を単なる解き方暗記ではなく、
「差」と「保存」
という視点から整理することを大切にしてきましたので、その点を受け取っていただけたことをとてもうれしく思っています。
ご家庭での学習のヒントとして、少しでもお役に立てればうれしく思います。
特殊算に苦手意識のあるお子さんや、どう支えてよいか迷う保護者の方の、ひとつの手がかりになれば幸いです。

最後に
特殊算は、子どもにとっても保護者にとっても、ひとつの壁になりやすい単元です。
でも、それは「できない単元」なのではありません。
見方を整える必要がある単元なのだと思います。
何が同じで、何が違うのか。
何が変わらず、何が変わるのか。
そこが少しずつ見えてくると、特殊算は急に落ち着いて見えるようになります。
今回の本が、そのきっかけになれば幸いです。
















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