上から2けたの概数をマスターしよう!基本から応用まで徹底解説

概数

概数とは上から2けたで丸めることで、数値を簡略化し、計算や情報整理を効率化する手法です。
特に中学受験では、時間短縮や計算ミスを防ぐために概数を使いこなす力が求められます。
この記事では、基本的な概数の考え方から上手な活用方法までをわかりやすく解説し、日常生活や受験に役立つ実践的なコツを紹介します。

概数とは?

概数とは、大きな数字を見やすくまとめたり、計算を楽にしたりするために使う方法です。
特定の桁を基準にして切り上げや切り捨てを行うことで、数字の大まかな値を素早くつかむことができます。
これにより、複雑な計算が簡単になり、全体の規模感をつかみやすくなります。

日常生活では、買い物の合計金額をざっくり見積もったり、大まかな人数や距離を把握したりする際に便利です。
また、学校の算数や中学受験でも、時間を短縮しながら効率よく計算を進めるために役立ちます。

特に、上から二桁の概数を使えば、数の規模感を把握しやすくなり、計算や比較がスムーズに行えるようになります。

これから、概数についてさらに詳しく、分かりやすく説明していきます。

概数にする方法3つ

がい数にする方法には、切り上げ、切り捨て、四捨五入の3つの方法があります。
どの方法を用いるかにより、同じ数でも違う数になったり、反対に違う数が同じ数になったりすることがあります。

切り上げってなに?

切り上げとは、ある数をもっと大きなキリのいい数に変えることです。
小数点以下や指定した位(くらい)より下の数字を見て、その数を次の大きい数にします。

小数の場合の切り上げ

⭕️ どうするの?
小数点以下に数字がある場合、たとえ小さな数字でも、次の大きい整数にします。

⭕️ 例:
3.14 を切り上げると 4 になります。
5.782 を切り上げると 6 になります。
8.0 は小数点以下が 0 なので、そのまま 8 です。

⭕️ ポイント
小数点以下に数字があれば、必ず1つ上の整数にします。

整数の場合の切り上げ

⭕️ どうするの?
整数(小数点以下がない数)を切り上げても、数はそのまま変わりません。

⭕️ 例:
3 を切り上げても 3 のままです。
7 を切り上げても 7 です.

⭕️ ポイント
小数点以下がない場合、切り上げても数は変わりません。

3. 大きな数を指定した位まで切り上げる

⭕️ どうするの?
指定した位より下の数字を見て、数字があれば、指定した位の数字を1つ大きくし、下の位はすべて「0」にします。

⭕️ 例:2001を千の位までの概数に切り上げる

  1. 千の位より下の数字を確認します。
    百の位から一の位までの数字は「001」です。
  2. 下の位に数字があるので、千の位の「2」を「3」にします。
  3. 千の位より下の数字をすべて「0」にします。

結果:2001 を千の位まで切り上げると、3000 になります。

⭕️ 他の例
1500 を千の位まで切り上げると、2000 になります。
3000 は千の位より下がすべて「0」なので、そのまま 3000 です。

⭕️ ポイント
指定した位より下に数字があれば、指定した位の数字を1つ大きくします。
下の位の数字はすべて「0」にします。

概数切り上げ
概数切り上げ
概数切り上げ
概数切り上げ

切り上げまとめ

  • 切り上げは、小数点以下や指定した位より下に数字がある場合、上の位を1つ大きくします。
  • 小数の場合、小数点以下に数字があれば、次の大きい整数にします。
  • 整数の場合、小数点以下がなければ、数はそのままです。
  • 大きな数を切り上げる場合、指定した位より下の数字を見て、数字があれば上の位を1つ大きくし、下の位を「0」にします。

切り下げってなに?

切り下げとは、ある数をより小さいキリのいい数に変えることです。
小数点以下や指定した位(くらい)より下の数字を見て、その数字を切り捨てることで行います。

小数の場合の切り下

⭕️ どうするの?
小数点以下の数字をすべて捨てて、整数部分だけを残します。

⭕️ 例:
3.9 を切り下げると 3 になります。
5.1 を切り下げると 5 になります。
8.0 は小数点以下が 0 なので、そのまま 8 です。

⭕️ ポイント
小数点以下の数字はすべて無視します。

整数の場合の切り下げ

⭕️ どうするの?
整数(小数点以下がない数)を切り下げても、数はそのまま変わりません。

⭕️ 例:
3 を切り下げても 3 のままです。
7 を切り下げても 7 です。

⭕️ ポイント
小数点以下がない場合、切り下げても数は変わりません。

3. 大きな数を指定した位まで切り下げる

⭕️ どうするの?
指定した位より下の数字をすべて「0」にします。

⭕️ 例:2001を千の位までの概数に切り下げる

  1. 千の位を見つけます。
    2001 の千の位は「2」です。
  2. 千の位より下の数字を確認します。
    百の位から一の位までの数字は「001」です。
  3. 下の位の数字をすべて「0」にします。
    2001」は「2000」になります。

結果:2001 を千の位まで切り下げると、2000 になります。

⭕️ 他の例:
2599 を千の位まで切り下げると、2000 になります。
3000 は下の位がすべて「0」なので、そのまま 3000 です。

⭕️ ポイント
指定した位より下に数字があれば、指定した位の数字を1つ大きくします。
下の位の数字はすべて「0」にします。

概数切り下げ
概数切り下げ
概数切り下げ
概数切り下げ

切り下げまとめ

  • 切り下げは、小数点以下や指定した位より下の数字を切り捨てることです。
  • 小数の場合、小数点以下をすべて捨てて、整数部分だけを残します。
  • 整数の場合、小数点以下がないので、数はそのままです。
  • 大きな数を切り下げる場合、指定した位より下の数字をすべて「0」にします。

四捨五入ってなに?

四捨五入とは、数を近いキリのいい数に変える方法です。
数を簡単にしたり、わかりやすくしたりするときに使います。

四捨五入のルールはとてもシンプルです。
やり方をステップで見ていきます。

  1. 四捨五入したい位(くらい)を決めます。
  2. その位の一つ下の数字を見ます。
  3. 一つ下の数字
    • 0、1、2、3、4 のときは、そのまま(切り捨て)。
    • 5、6、7、8、9 のときは、上の位を1つ増やす切り上げ)。
  4. 下の位の数字はすべて「0」にします(小数の場合は消します)。
小数の場合の四捨五入

⭕️ 3.14 を小数第一位まで四捨五入するとき:
小数第二位の数字は「4」です。
「4」は「0~4」なので、そのまま。
結果:3.1

⭕️ 5.68 を小数第一位まで四捨五入するとき:
小数第二位の数字は「8」です。
「8」は「5~9」なので、切り上げます。
小数第一位の「6」を「7」にします。
結果:5.7

整数の場合の四捨五入

⭕️ 123 を十の位まで四捨五入するとき:
一の位の数字は「3」です。
「3」は「0~4」なので、そのまま。
一の位を「0」にします。
結果:120

⭕️ 678 を百の位まで四捨五入するとき:
十の位の数字は「7」です。
「7」は「5~9」なので、切り上げます。
百の位の「6」を「7」にします。
十の位と一の位を「0」にします。
結果:700

大きな数の場合の四捨五入

⭕️ 2,345 を千の位まで四捨五入するとき:
百の位の数字は「3」です。
「3」は「0~4」なので、そのまま。
百の位以下を「0」にします。
結果:2,000

⭕️ 7,856 を千の位まで四捨五入するとき:
百の位の数字は「8」です。
「8」は「5~9」なので、切り上げます。
千の位の「7」を「8」にします。
百の位以下を「0」にします。
結果:8,000

四捨五入のまとめ

  • 一つ下の数字を見るのが大切です。
  • 0~4 のときは、そのまま(切り捨て)。
  • 5~9 のときは、上の位を1つ増やす切り上げ)。
  • 下の位の数字はすべて「0」にします(小数の場合は消します)。
練習してみよう!
  1. 89.76 を小数第一位まで四捨五入すると、いくつになりますか?
    • 答え:89.8(小数第二位は「6」なので切り上げ)
  2. 1,234 を百の位まで四捨五入すると、いくつになりますか?
    • 答え:1,200(十の位は「3」なのでそのまま)
  3. 5,678 を千の位まで四捨五入すると、いくつになりますか?
    • 答え:6,000(百の位は「6」なので切り上げ)

これで「四捨五入」のルールがわかりましたね!
数をわかりやすくしたいときや、簡単に計算したいときにとても便利です。
ぜひ、いろいろな数で練習してみてください。

四捨五入の実生活での応用例

⭕️ お小遣いの管理のエピソード
太郎くんはお小遣いを管理するのが少し苦手。
でも、この前、お店で500円のおもちゃと230円のお菓子を買うときに、頭の中でざっくり『500円と200円』と上2桁で四捨五入して考えました。
合計は『約700円』。これならお財布の中にまだ余裕があるとすぐにわかり、安心して買い物ができたんです。

⭕️ マラソン大会のエピソード
「花子さんの学校では毎年マラソン大会があります。
今年のコースは3.76キロメートル。
『大体4キロだな』と四捨五入しておけば、どのくらい走るかおおよその見当がついて、心の準備ができました。
ゴールまでの距離を考えながら走るのにとても役立ちました。

⭕️ 家族旅行の計画
家族でドライブ旅行に行くことになった時、お父さんが『ここから目的地まで約128キロだよ』と言ったとき、太郎くんが『130キロくらいだね』とすぐに四捨五入して返答。
家族みんなが『そのくらいか』とざっくりとした距離感を共有できて、旅行の計画もスムーズに進みました。」

続いて以上・以下・未満について説明します。

以上・以下・未満の違いを簡単に覚えよう

  • 以上:指定した数を含み、それ以上の値を表します。
    例:50以上 → 50、51、52、…
  • 以下:指定した数を含み、それ以下の値を表します。
    例:30以下 → 30、29、28、…
  • 未満:指定した数を含まず、それより小さい値を表します。
    例:100未満 → 99、98、97、…

「以上・以下」はその数を含む、「未満」はその数を含まない、と覚えましょう!

覚え方のポイントは、「以上・以下」はその数を含む、「未満」はその数を含まない、ということです!

概数以上・以下・未満

小テストなどで出題される問題を見てみよう!

概数以上・以下・未満

上から二桁の概数を使った計算例

上から二桁の概数を用いることで、複雑な数を簡単に扱い、すぐにおおよその答えを求めることができます。
例えば、3678と1245を合計するとき、それぞれを3700と1200に概数化することで、4900と素早く計算ができます。
計算のスピードと正確性が向上し、日常生活や中学受験において大変役立ちます。

筆算における概数の使い方

筆算で概数を使うと、複雑な計算が簡単に行えます。
特に上から2桁の概数を使うと、大きな数をおおまかにまとめて計算でき、計算ミスを防ぎやすくなるという利点があります。
以下に、筆算での概数の使い方の具体的な手順を説明します。

例題(足し算)

3,600+4,300を上から2桁で概数化し計算

手順1: 数字を丸める
3,578 → 3,600(百の位を基準にし、十の位7が5以上なので切り上げ
4,263 → 4,300(百の位を基準にし、十の位6が5以上なので切り上げ
手順2: 丸めた数字を筆算する
3,600+4,300=7,900

答え:約7,900

例題(掛け算

564✖️29を上から2桁で概数化し計算

手順1: 数字を丸める
564 → 560(十の位を基準にし、一の位が4なのでそのまま
29 → 29(29 はもともと2桁の数なので、そのまま使います
手順2: 丸めた数字を筆算する
560✖️29=16,240

答え:約16,240

上から二桁の概数を用いた実生活での応用例

⭕️ お店での買い物合計を概算する例
太郎くんはお店でお菓子を3つ選びました。
それぞれ150円、320円、420円です。
これらを上から2桁で概数化して、150円→150円、320円→300円、420円→400円に丸めます。
これで合計をざっくり850円と見積もり、予算内に収まるか確認できました。

⭕️ 家族でピザを注文する例
家族でピザを注文するとき、ピザが1枚980円、サイドメニューが2つで450円ずつです。
上から1桁で丸めると、ピザを1,000円、サイドメニューを400円×2つと考えると、1,000円+800円=1,800円とざっくり見積もり、予算に収まるか確認できます。

人口密度や面積の近似値を求める方法

人口や面積などのような大きな数を計算するとき、全部の数字を使うと計算が大変です。
そこで、上から2桁の概数を使うと、数が簡単になり、計算もしやすくなります。

理由は3つあります。

  • 計算が簡単になるから
  • 大まかな数の大きさをつかみやすいから
  • 結果をすばやく求められるから

では実際に人口密度の近似値を求めてみましょう。

人口密度

人口密度は、人口 ÷ 面積 で求められます

ある市の人口が 123,456 人、その市の面積が 789 km² の人口密度を求めてみましょう。

まず人口について上から二つの数字は「12」です。
三つ目の数字は「3」です。
3」は「0~4」なので、上から2桁目の「2」そのままにします。
三つ目以降の数字を「0」にします。

人口の概数:120,000 人

次に面積について上から二つの数字は「78」です。
三つ目の数字は「9」です。
9」は「5~9」なので、二つ目の数字を1つ増やし、「78」を「79」にします。
三つ目以降の数字を「0」にします。

面積の概数:790 km²

人口密度は、人口 ÷ 面積 で求められますので計算してみます。

人口密度=120,000(人)➗​790(km²)=151.9(人/㎢)

答え:約 152 人/km² となります。

電卓を使った簡単な概数計算のコツ

具体的な日常の場面を用い、買い物や支出管理など、子どもが理解しやすい例を示すことで、電卓の活用法をわかりやすく説明します。

⭕️ 買い物の合計金額を概算する例
太郎くんはお店で、300円のお菓子、455円のジュース、800円のおもちゃを買いたいと思っています。
電卓を使ってざっくりと合計金額を計算する方法を見てみましょう。

ステップ1: 各金額を上から2桁の概数(四捨五入)にする
300円 → そのまま300円
455円 → 460円に四捨五入
800円 → そのまま800円

ステップ2: 概数化した金額を電卓で足す
300 + 460 + 800 = 1,560円

これで、おおよその合計金額が1,600円だとすぐにわかります。
このように電卓で概数を使うことで、買い物中に素早く計算ができます。

⭕️ 月の支出を概算する例
家庭の支出を管理する際にも、電卓を使った概数計算は便利です。
例えば、今月の光熱費が5,476円、食費が28,920円、交通費が12,345円だったとしましょう。

ステップ1: 各支出を上から2桁の概数にする
5,476円 → 5,500円
28,920円 → 29,000円
12,345円 → 12,000円

ステップ2: 概数化した支出を電卓で足す
5,500円 +29,000円 + 12,000円 = 46,500円

こうすれば、ざっくりと月の支出が約 46,500円くらいと把握できます。
細かい計算をする前に、全体の見通しをつけるのに役立ちます。

上から三桁の概数との違いと使い分け

1桁、2桁、3桁の概数は、数値の規模や目的に応じて使い分けると便利です。
数を大まかに把握することで、計算の効率を高めたり、見積もりがしやすくなったりします。

⭕️ 1桁の概数
1桁の概数は、小さな数を簡単にまとめたいときに使います。
たとえば、27を1桁の概数で表す場合、10の位を基準にして考え、7が5以上なので切り上げて30となります。

これにより、ざっくりとした見積もりが可能になります。
例:

  • 19 → 20
  • 42 → 40

⭕️ 2桁の概数
2桁の概数は、中程度の数をある程度正確にまとめるときに使います。
たとえば、438を2桁の概数にする場合、100の位と10の位を基準にし、8が5以上なので切り上げて440になります。

これにより、適度に正確な見積もりが可能です。
例:

  • 367 → 370
  • 982 → 980

⭕️ 3桁の概数
3桁の概数は、大きな数を簡単に把握する際に役立ちます。
たとえば、12,345を3桁の概数にすると、1,000の位を基準にして、100の位の3が4以下なので切り捨て、12,000となります。
例:

  • 25,678 → 26,000
  • 9,876 → 10,000

これにより、大まかなスケール感を得られます。

使い分けのポイント
小さな数には1桁、中程度の数には2桁、より大きな数には3桁の概数を使うと、効率的に計算や見積もりができます。


たとえば、買い物の合計金額を見積もる際に2桁の概数を使い、大まかな予算規模を把握する際には3桁の概数を使うと便利です。
状況に応じた使い分けが、数値の見通しをつけやすくします。

上から2桁の概数に関するQ&A

概数を使った計算で全体の見通しをつける方法はありますか?

概数を使うと、複雑な計算の全体像を素早く把握できます。
たとえば、3578円、1456円、2783円の合計を求める場合、それぞれを上から2桁の概数にして3600円、1500円、2800円とします。
これを合計すると約7900円になります。

このように、ざっくりとした見積もりを行うことで、答えの見通しをつけることができ、最終的な正確な計算結果との違いを簡単に確認できます。
また、より正確な計算結果と比較して、答えが妥当かどうかをすぐに見直すことができるため、計算ミスの発見にも役立ちます。
もう1つの例として、買い物の合計金額を見積もる際にも、概数を使うことで予算内かどうかを簡単に判断でき、無駄な出費を抑えることができます。

上から2桁の概数を用いるときの注意点には何がありますか?

上から2桁の概数を使うときは、数を丸める基準となる位を明確にすることが重要です。
たとえば、3278を概数化する場合、百の位を基準とし、十の位の7を確認します。
7は4以上なので切り上げて、結果は3300となります。
このように基準の桁を確認し、どのように切り上げや切り捨てを行うかをしっかり理解する必要があります。
また、大きな数を概数にする際には、元の数と概算後の数の差が大きくなることがあります。
そのため、必要な精度に応じて適切に丸めることを心がけ、概算の効果を最大限に活用するよう意識しましょう。
誤った位を基準にすると不正確な値になるため、注意が必要です。

誤った使い方の例として、4256を概数化する場合を考えてみましょう。
正しい手順では、百の位を基準にして十の位の数字5を見て切り上げるため、結果は4300になります。
しかし、もしこのときに誤って十の位を基準にして考えた場合、一の位が6なので結果を4260と誤って計算してしまうことがあります。
このように基準となる位を間違えると、概算の結果が大きく異なり、計算全体の精度が落ちてしまう可能性があります。
ですから、どの桁を基準にするかを明確にして、切り上げや切り捨てを正しく行うことが大切です。
誤った概算を避けるために、基準の桁をしっかりと意識して処理することを心がけましょう。

概数の力を鍛えるためにどのような練習が効果的ですか?

概数を使いこなす力を鍛えるには、日常生活で意識的に活用する練習が効果的です。
たとえば、買い物の合計金額を概算したり、家で使う材料の分量を大まかに見積もるといった身近な場面で、数をざっくりと捉える練習を取り入れると良いでしょう。
また、家族で「概算ゲーム」を行うことも楽しく学べる方法です。
具体的には、目の前にあるものの数をざっくりと数えたり、複数の数字を組み合わせて概算するゲームなどがあります。
このようにゲームや日常の出来事を利用して繰り返し練習することで、数を直感的に扱えるようになり、計算力も自然と高まります。

概数を効果的に鍛えるためには、日常生活の中で楽しく取り組めるゲーム形式の練習が効果的です。
ここでは、親子で楽しめる具体的なゲームを紹介します。

「ざっくり見積もりゲーム」
このゲームでは、家の中やお店で見つけたものの価格や数を概数でざっくり見積もる練習を行います。
ルールは簡単です。
親が提示した数字を、子どもが上から2桁の概数に直して答える形式です。
正確に概算できたらポイントを得るようにして競うと、ゲーム感覚で楽しく学べます。

  • 例1: お店で見つけたお菓子の価格が「178円」なら、子どもが「約180円!」と概数化して答える。
  • 例2: 家にある鉛筆の数が「37本」なら、子どもが「約40本!」と答える。

これらのゲームを通じて、子どもは数字を楽しく扱いながら概数の力を鍛えることができます。
親子で一緒に挑戦すれば、数字に対する苦手意識も自然に薄れていくでしょう。

概数の使用が特に有効な場面はどのような場合ですか?

概数は、大まかな見積もりや素早い判断が必要な場面で特に有効です。

たとえば、予算を立てるときに支出項目をすべて概数にすることで、全体の見通しを簡単に把握できます。

これにより、細かい金額にとらわれず、大枠で計画を立てることができるようになります。


また、テストや試験など、限られた時間内で計算を行う場面では、概数を使って答えを素早く近似し、解答の方向性をつかむことが可能です。

具体例を示します。

例: 987 × 54 の計算

この計算をそのまま行おうとすると、多くの時間がかかってしまいます。
しかし、上から1桁の概数を使って計算することで、素早くおおよその値を求めることができます。

  1. 987を1000、54を50に概数化します。
  2. 1000 × 50 = 50,000

これにより、答えが約50,000になることがわかり、解答の方向性をつかむことができます。

このように、概数を使って大まかな見当をつけることで、計算結果が「極端にずれていないか」を素早く確認し、次に進むことができます。
特に複雑な問題を解く際には、こうした概算が時間短縮と正確性の確認に役立ちます。
試験中、細かい計算を繰り返すよりも、概数を用いて大まかな見積もりを行うことで、答えの検算や見通しを持つことが可能になります。

これにより、時間を有効に使いながら正しい答えに近づけることができます。
日常生活でも、待ち時間や移動時間の目安を概算することで、予定を立てやすくなります。

小数を含む計算における概数の使い方はどうすればよいですか?

小数を含む計算で概数を使う場合、まずどの位で丸めるかを決めることが大切です。
これによって計算を簡単にし、素早くおおよその答えを求めることができます。
具体的な方法を見てみましょう。

例1: 3.456を概数化する方法
小数第1位までの概数を求める場合、次の桁(小数第2位)を見ます。
この場合、5が基準です。5以上のため、切り上げて3.5になります。
もし整数に丸めたい場合は、小数点以下をすべて無視して4にするのも選択肢です。
これによって、ざっくりした計算がしやすくなります。

例2: 7.892 × 3.14の計算
複雑な掛け算を簡単にするために、7.892を8に、3.14を3に概数化します。
これで、8 × 3 = 24と大まかな答えを素早く求めることができます。
概数を使うことで、計算が短時間で行えるようになり、答えの目安がつきやすくなります。

小数を概数にすることで、計算を簡略化でき、日常生活やテストの場面で効率よく見積もりや計算ができるようになります。
たとえば、買い物の合計金額をおおよそ把握する場合や、長さや重さをざっくりと測るときにも役立ちます。
どの位を基準にするかを意識して、適切に概数を使いましょう。

概数と四捨五入はどう違うのですか?

概数と四捨五入の違いについて説明します

概数

上から3桁といった大きな桁を基準にして、数値をまとめることが多いです。具体的には、どの桁を基準にするかが自由に選べるため、場面に応じて柔軟に使うことができます。
例:
5432を上から2桁の概数にする → 5400

四捨五入

です。基準の桁より1つ下の桁が5以上なら切り上げ、4以下なら切り捨てます。これは概数を求める一つの具体的な方法ともいえますが、常に「5以上で切り上げ」というルールに従います。
例:
5432を百の位で四捨五入 → 5400
5432を千の位で四捨五入 → 5000

主な違い

概数は、どの桁を基準に丸めるかを自由に選び、数を大まかに表す方法。
四捨五入は、「5以上で切り上げ」という明確なルールに基づいた処理方法
つまり、概数は「柔軟に大まかな数を表す考え方」で、四捨五入はその中で使われる具体的な手法の一つです。

まとめ:上から2桁の概数をマスターしよう!基本から応用まで

この記事では、上から2桁の概数を使った計算の基本から具体的な応用例まで、中学受験生とその保護者に役立つ内容を解説しました。
概数を活用することで、計算のスピードや正確性を向上させ、学習の効率を高めることができます。
記事内では、日常生活での概数の利用方法や、計算ミスを防ぐためのポイントも紹介しています。
また、四捨五入の具体的な手順や小数を含む場合の概算方法なども解説し、算数の実力を底上げするためのコツを学べる内容となっています。

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