あなたは中学受験に向けて算数の力をもっと伸ばしたいと考えているかもしれません。
また、お子さんの算数の力を伸ばしたいと考えられる場合もあるでしょう。
通過算は、合格するためにとても大切なテーマです。
このブログでは、通過算の問題の解き方を基本から応用までわかりやすく解説しています。
難しそうな問題も、ちょっとしたコツを知れば簡単に解けるようになります。
計算ミスを減らして、自信を持って試験に挑むために、一緒に通過算のポイントを学びましょう!
これを読めば、通過算の問題もバッチリ克服できますよ。
目次
通過算とは?基本概念とポイントを理解しよう
通過算は、列車や電車が何かを通り過ぎるのにかかる時間や距離を計算する問題です。
中学受験でもよく出るこの問題では、速さ、距離、時間の関係を理解することが大切です。
たとえば、電車が電柱を通るとき、どれくらいの時間がかかるかは、電車の長さと速さで決まります。
このように、通過算では「どこを通り過ぎるのか」を考えることがポイントです。
通過算の基本をしっかり覚えることで、難しい問題にも対応できるようになります。
通過算の基本問題と解き方
通過算には基本パターンとなる問題があります。
まず、基本パターンを学習することで応用力がついてきます。
それでは基本パターンについて説明します。
電車が人や電柱を通過する問題の解き方
電車が人や電柱を通り過ぎる問題は、通過算の基本的な問題です。
この場合、電車の長さと速さが重要なポイントになります。
たとえば、電車が電柱を通り過ぎる時間は、電車の長さが電柱を完全に通過するまでにかかる時間のことです。
具体的には、100mの電車が秒速50mで走っているとき、電柱を通り過ぎるのに2秒かかります。
これは「電車の長さ ÷ 速さ」で求められます。
このように、電車が人や電柱を通過する問題では、電車の長さと速さを使って時間を計算することが大切です。
この解き方を覚えれば、通過算の基本的な問題をしっかり解けるようになります。
では具体的な問題を例にとって考えてみましょう。
【問題】
長さ100mの列車が秒速50mで走っている。
この列車が電柱の前を通過するのにかかる時間は何秒か?
【解説】
通過算で大事なのは、列車の先頭と最後尾がどう動くかを考えることです。
列車の先頭が電柱に近づくときや、最後尾が電柱を通り過ぎるときの位置関係に注目しましょう。
ポイントは、列車が通過するために進む距離が、列車の長さと同じであるということです。
これは電柱は横幅を考えない、あるいは踏切や人の場合も横幅を考えないので、列車が通過するために進む距離が、列車の長さと同じになります。
このことがわかれば、あとは「道のり、速さ、時間」の関係式に当てはめて計算するだけです。
この例題は通過算の基本なので、問題を解くときに困ったら、この例を思い出してください。
特に「列車の長さ」を忘れやすいので、しっかり覚えておきましょう。
トンネルや鉄橋を通過する問題の解き方
トンネルや鉄橋を通過する問題では、電車の長さとトンネルや鉄橋の長さを合わせて考えることが大切です。
理由は、電車がトンネルや鉄橋を完全に通過するためには、電車の長さとトンネルや鉄橋の長さの両方を移動しなければならないからです。
たとえば、100mの電車が200mのトンネルを通過する場合、電車はトンネルを抜けるまでに300mを進む必要があります。
この距離を電車の速さで割ると、通過にかかる時間がわかります。
トンネルや鉄橋を通過する問題では、必ず電車の長さと通過する物体(トンネルや鉄橋)の長さを足して計算することが大切です。
このポイントを押さえることで、正確に問題を解けるようになります。
では、実際の問題を例にして説明します。
【問題】
長さ160mの電車が、長さ920mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに45秒かかりました。この電車の速さは、時速何キロメートルですか?
【解説】
今回は電車の速さを求める問題なので、電車がどれくらいの距離をどれくらいの時間で走ったかを計算することで答えがわかります。
問題文には「電車が鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに45秒かかりました」と書かれています。
この時間で電車が何メートル走ったのかを考えていきましょう。
注意すべきポイントは、「渡り始め」と「渡り終わり」の意味です。
渡り始めは電車の先頭が鉄橋に差しかかったときで、渡り終わりは電車の最後尾が鉄橋を通り過ぎたときです。
つまり、電車が走った距離は鉄橋の長さだけではなく、電車の長さも加えたものになります。
この図を見ると、電車は鉄橋の長さと自分の長さを合わせた距離を走ったことがわかります。
つまり、鉄橋が920mで、電車の長さが160mだったので、合計で1080mを走ったことになります。
正確に距離を計算するためには、電車の先頭がどれくらい進んだかに注目することが大事です。
今回は、電車が進んだ距離と時間がわかったので、速さを計算してみましょう。
- 渡り始めてから渡り終えるまでの時間:45秒
- 電車の先頭が進んだ距離:1080m
距離と速さと時間の関係より電車の速さは秒速24m(1080m÷45秒)となります。
問題では時速何kmかを求めるので、単位を揃えることを忘れずに進めることがポイントです。
たとえば、mをkmに直すときは1000で割り、秒速をを時速に直すときは3600をかけます。
このやり方を使って計算すると、次のような答えになります。
1080m ÷ 45秒 = 秒速24m
これを時速に直すと、秒速24m × 3600 = 時速86400m=時速86.4kmです。
【答え】:この電車の速さは、時速86.4kmです
列車が他の列車を追い越す問題の解き方
列車が他の列車を追い越す問題を解くときは、2つの列車の速さの差(相対速度)が大切です。
追い越しでは、速い列車が遅い列車を完全に追い抜くまでの時間を求めます。
このとき、速さの差と列車の長さがポイントになります。
たとえば、速い列車が1秒間に50m進み、遅い列車が1秒間に30m進む場合、速さの差は毎秒20mになります。
この差を使って、速い列車が遅い列車を追い越すためにかかる時間を計算します。
具体的には、2つの列車の長さを足したものを相対速度で割れば、追い越しにかかる時間が求められます。
このように、追い越しの問題では、速さの差を使って計算することが重要です。
これをしっかり理解すれば、追い越しに関する通過算の問題も自信を持って解くことができます。
では、実際の問題を使って説明します。
【問題】
秒速40mで走る長さ200mの特急列車が、秒速25mで走る長さ160mの普通列車に追いついてから追い越すまでにかかる時間は何秒でしょうか?
【解説】
追い越しの問題では、「追い越す」とはどういうことかを考えることが重要です。
まず、列車が走る距離(道のり)を正確に理解しないと、計算ができません。
この問題が難しいのは、2本の列車が走っていて、それぞれの長さや速さが違うからです。
単純に道のり、速さ、時間の関係を使うだけでは解けません。
そこで、両方の列車がどれくらいの距離を走るのかを考える必要があります。
ここで大事なのは、「追い越す」という状況です。
追い越しの過程を下の図で確認しながら、道のりを考えてみましょう。
まず、「追い越す」とはどういうことかを整理しましょう。
追い越すということは、追い越される普通列車の最後尾と、特急列車の先頭が同じ地点に来た後、普通列車の先頭と特急列車の最後尾が同じ地点に来ることを意味します。
つまり、追い越すためには、追い越される普通列車の長さと追い越す特急列車の長さを足した距離、つまり360m(普通列車の長さ160m + 特急列車の長さ200m)を列車が走る道のりとして考えます。
そして、次に速さを考えます。
この問題の速さを考えるポイントは、追い越される普通列車が止まっているものと仮定することです。
これにより、特急列車の速さは、実際には秒速15m(40mー25m)で走っていると考えます。
これは、特急列車の秒速40mから普通列車の秒速25mを引いた速さです。
特急列車が普通列車を追い越すのにかかる時間は、360mの距離を秒速15mで走る時間を求めます。
計算すると、360m ÷ 秒速15m = 24秒となります。
【答え】:特急列車が、秒速25mで走る長さ160mの普通列車に追いついてから追い越すまでにかかる時間は24秒です。
列車が追い越す問題のポイントをまとめると:
- 追い越される列車は止まっていると考える。
- 速さの差に注目する。
- 追い越される列車と追い越す列車が走った距離の合計(つまり、両方の列車の長さ)を考える。
- 道のり、速さ、時間の関係式を使って解く(2で求めた速さ、3で求めた距離の合計をもとに計算する)。
逆にこのことに気づけると、次に紹介する電車同士がすれ違うパターンの問題も意外と簡単に解ける様になってきます。
ということで、追い越すパターンの解き方が理解できたらすれ違うパターンに進みましょう。
列車どうしがすれ違う問題の解き方
列車どうしがすれ違う問題を解くときは、2つの列車の速さを足して計算することが大切です。
すれ違うときは、両方の列車が互いに向かって近づいているため、速さを足し算します。
たとえば、1本の列車が毎秒40m、もう1本が毎秒60mで走っているとすると、2つの列車の合計の速さは毎秒100mになります。
このとき、すれ違うのにかかる時間は、両方の列車の長さを足して、その合計を速さで割ることで求められます。
この方法を覚えておくと、列車どうしがすれ違う問題も正確に解けるようになります。
では、実際の問題を使って説明します。
【問題】
秒速30mで走る長さ180mの特急列車と、秒速20mで走る長さ170mの普通列車が反対方向からきてすれ違いました。
特急列車と普通列車が出会ってから離れるまでに何秒かかるでしょうか?
【解説】
この問題では、道のり、速さ、時間の関係式を使います。
道のりとは、列車が走った距離のことです。
ここで重要なのは、「すれ違う」という状況を正しく理解することです。
では、「すれ違う」とはどういうことかを下の図で考えてみます。
すれ違うというのは、特急列車の先頭と普通列車の先頭が同じ位置に来た瞬間から、特急列車の最後尾と普通列車の最後尾が同じ位置に来た瞬間までのことを指します。
つまり、特急列車と普通列車がすれ違うためには、両方の列車の長さを足した距離、つまり350m(特急列車の長さ180m + 普通列車の長さ170m)を走る必要があります。
すれ違うときに考えるべき距離は、2つの列車の長さを合計したものだということがわかりました。
ただし、速さが2つあるため、そのまま道のり、速さ、時間の関係式を使うことはできません。
まず、特急列車と普通列車の速さを確認してみましょう。
- 特急列車:秒速30m
- 普通列車:秒速20m
これで、特急列車と普通列車の最後尾が1秒ごとに50m(30m + 20m)ずつ近づくことがわかります。
つまり、列車がすれ違うためには、350mの距離を秒速50mで縮めるのに何秒かかるかを計算すればよいのです。
計算すると、すれ違う時間は7秒(350m ÷ 秒速50m = 7秒)かかることがわかります。
【答え】:特急列車と普通列車が出会ってから離れるまでに7秒かかります。
列車がすれ違う問題のポイントをまとめると:
- 2つの列車の長さを足した距離を考える
- 列車の最後尾の動きを確認する
- 2つの列車の速さを足して、どれだけ早く最後尾が近づくかを計算する
- 最後尾が同じ位置に来たら、すれ違いが終わる
通過算と旅人算の違いとは?理解を深めよう
通過算と旅人算の違いを理解することは、中学受験の数学でとても重要です。
通過算は、電車や物体が特定の地点や物(トンネルや鉄橋)を通過する時間や距離を求める問題で、列車の長さがポイントになります。
一方、旅人算は、2つの物体が互いに近づいたり離れたりする際の出会いや追いつきの時間を求める問題で、相対速度が重要です。
たとえば、通過算では「電車がトンネルを通過する時間」を求め、旅人算では「2人が出会う時間」を計算します。
通過算 | 電車や物体が特定の地点や物を通過する時間や距離を求める。 |
旅人算 | 2つの物体が互いに近づいたり離れたりする際の出会いや追いつきの時間を求める。 |
このように、どちらの算も速度と時間の関係を扱いますが、求める内容が異なるため、問題ごとに適切な解法を使うことが大切です。
これを理解することで、どちらの問題にも対応できるようになります。
参考記事:旅人算の問題の解き方を徹底攻略!中学受験のための完全ガイド
応用問題:複雑な通過算の解き方
複雑な通過算の問題を解くためには、基本的なパターンをしっかり理解し、それを応用する力が必要です。
複数の要素が絡む問題では、速さや距離、時間の関係を整理して考えることが重要です。
たとえば、「2本の列車が異なる方向から来て、同じトンネルを通過する」ような問題では、それぞれの列車がトンネルを通過する時間を別々に計算し、さらにその合計を求めます。
このように、複雑な問題でも基本に立ち返り、要素を一つひとつ解きほぐすことで、解答を導き出すことができます。
この方法を習得すれば、どんな応用問題にも自信を持って取り組めるようになるでしょう。
比を使った通過算問題の解き方
比を使って通過算の問題を解くときは、速さや時間の比を利用して、効率よく解くことがポイントです。
比を使うと、難しい計算を簡単に整理することができます。
たとえば、2本の列車が違う速さで同じ距離を通過するとき、速さの比を使えば、通過にかかる時間の比も簡単に求められます。
たとえば、速さの比が3:2であれば、時間の比は逆に2:3になります。
このように、比を使うことで複雑な問題でもスムーズに解くことができるようになります。
この方法を覚えれば、問題を素早く解く力がついて、解答スピードも上がります。
では、実際の問題を使って説明します。
【問題】
長さ160mの普通列車を、長さ200mの特急列車が追いついてから追い越すまでに24秒かかります。
普通列車と特急列車の速さの比が6:11のとき、特急列車の秒速を求めなさい。
【解説】
解説に移ります。
まずは1問目と同様に,問題文の整理や分析を行なっていきましょう。
この問題でも「列車」という動くモノが登場していますが,今回注目すべき点は2つの電車が登場しているということです。
そして特急列車が普通列車を追い越すということは,基本編で触れた列車が他の列車を追い越す問題の解き方に当てはまりますね。そのため,この列車が他の列車を追い越す問題の解き方の攻略法を思い出しながら進めてみましょう。
特急列車の動いた道のりや速さを考えていけば答えに辿り着けそうだと予想が立てられますが,それと同時に普通列車の長さや進む速さのことも忘れずに考えていきましょう。
ここで普通列車の速さを秒速○m・特急列車の速さを秒速□mとすると,問題の情報は次のような図にまとめられます。
この問題では、速さの比を使って特急列車の秒速を求めます。
まず、追い越すために必要な距離を計算します。
今回の問題では、普通列車と特急列車が両方とも動いているため、どの部分がどこまで走ったかを正確に計算することは難しいです。
しかし、特急列車が普通列車の後ろに追いつき、その後、特急列車の後ろが普通列車の前を追い越すまでの距離、つまり普通列車の長さ160mと特急列車の長さ200mを足した360mを走ればよいことがわかります。
次に、特急列車の秒速から普通列車の秒速を引いた差を求めます。
特急列車が追い越すのに24秒かかっているので、特急列車の秒速から普通列車の秒速を引いた差は360m ÷ 24秒 = 秒速15mになります。
普通列車と特急列車の速さの比は6:11ですので、この比を使って特急列車の秒速を求めます。
速さの差が秒速15メートルなので、速さの比に基づいて比例式を作ります。
比例式は次のようになります:
特急列車の秒速 – 普通列車の秒速 : 特急列車の秒速 = 5:11 = 秒速15m : 特急列車の秒速
この5:11の5は特急列車の秒速 – 普通列車の秒速の差の部分なので普通列車と特急列車の速さの比は6:11から11-6=5で得られます。
この比例式(5:11 = 秒速15m : 特急列車の秒速)から、特急列車の秒速は秒速33mと求められます。
比例式の解き方により5×特急列車の秒速=11×秒速15mで特急列車の秒速=11×15÷5=33となります
【答え】:特急列車の秒速は33mです。
2つ以上のパターンが絡む通過算問題の解き方
2つ以上のパターンが関係する通過算の問題を解くときは、問題をいくつかのステップに分けて解くことが大切です。
複数の要素があると、全部を一度に考えるのは難しいので、それぞれのパターンを順番に解いていくことで、混乱を防ぐことができます。
たとえば、「電車が鉄橋を通過し、その後すぐに電柱を通過する」という問題では、まず鉄橋を通過する時間を計算し、その次に電柱を通過する時間を求めるという手順で進めます。
このように、1つずつ順番に解決していくことで、複雑な問題でも正しく答えを出すことができます。
ステップごとに考える習慣をつければ、どんな難しい通過算の問題にも対応できるようになります。
では、実際の問題を使って説明します。
【問題】
長さ216mの特急列車と長さ126mの普通列車がすれちがうとき,出会ってからはなれるまでに9秒かかります。
また,この特急列車と普通列車が同じ向きに進むとき,特急列車が普通列車に追いついてから追いこすまで57秒かかります。
このとき,特急列車は時速何kmですか。
【解説】
解説に入ります。
まずは問題を解くために、手順に沿って整理・分析を始めましょう。
今回は特急列車と普通列車という2つの動くものが出てきましたが、ここで大事なのは「追い越し」と「すれ違い」という2つの出題パターンが組み合わさっていることです。
そのため、これまでの問題とは少し違うかもしれませんが、まずは図を使って情報を整理し、問題の内容をしっかり把握することが大切です。
今回の問題は特急列車の速さを求めるものです。
道のりと時間がわかれば解くことができそうですね。
ここでは、普通列車の速さを秒速□m、特急列車の速さを秒速○mとして計算を進めていきましょう。
秒速を使う理由は、列車の長さ(メートル)や進んだ時間(秒)と単位を合わせて計算しやすくするためです。
このように、単位をうまく合わせて計算を簡単にすることを意識するといいでしょう。
以上のことをまとめると、下のような図に整理できます。
次は、この図にあるそれぞれの場面について、道のり・速さ・時間の関係を式にしていきましょう。
そうすることで、□と○の関係がわかり、答えにたどり着けそうです。
まずは上段の図の「追い越す場合」から始めましょう。
これは、先ほど解いた列車が他の列車を追い越す問題の解き方と同じように進めてみます。
ここで考える速さは、列車そのものの速さではなく、列車間の距離がどれくらいの速さで変化するかということです。
今回の問題では、特急列車の速さが秒速○m、普通列車の速さが秒速□mなので、追い越しが発生する際には、2つの列車の間の距離が1秒ごとに○-□メートルずつ変わることになります。
次に道のりについて考えます。
これも列車が他の列車を追い越す問題の解き方で触れたように、快速列車が普通列車を追い越すためには、普通列車の長さ216メートルと快速列車の長さ126メートルを足した342メートルだけ多く走らなければなりません。
これらをまとめると、次のような計算式が出来上がります。
(○-□)[秒速・m]×57[秒]=342[m]
○-□[秒速・m]=6
次は下段の図の「すれ違い場合」について確認していきましょう。
こちらは前回の列車どうしがすれ違う問題の解き方ですね。
このような問題でも大切なことは列車同士の差異やズレに注目することです。
まずは列車の距離の差異の変化に注目してみましょう。
特急列車が秒速□m・普通列車が秒速○mで走るとき,そしてそれらが別々の向きに進んでいるとき,2つの列車の距離は1秒間に□+○[m]ずつ変化していくことが分かります。
また道のりについては,こちらも分かりにくくはありますが,特急列車と普通列車の先頭と先頭が重なってから特急列車と普通列車のお尻とお尻が重なるまでの距離を指すことから,その大きさは普通列車の長さ+特急列車自身の長さ分,つまりは342mになると判断できます。
この道のりの求め方は実はパターン列車が他の列車を追い越す問題の解き方と列車どうしがすれ違う問題の解き方とで全く同じです。
動いているモノ同士の通過算における距離とは全長の総和なのだと覚えてしまうといいでしょう。
これらのことに文中で登場した時間の要素を組み合わせると,下のような式が完成します。
(○+□)[秒速・m]×9[秒]=342[m]
○+□[秒速・m]=38
以上の2つの計算式から,特急列車の速さである○と普通列車の速さである□の関係が見えてきましたね。
○と□は足すと38・引くと6になる2つの数字のことを指します。
この○と□を求めるために、和差算を思い出して下さい。
求め方を簡単に説明します。
下図を見て下さい。
和の38に差の6を足すと赤2本分となるので、赤1本分は44(38+6)=2=22となる。
つまり◎:特急列車の速さが毎秒22となります。
このように和から差を引いたり、足したりして求める方法を和差算といいます。
このことから快速列車は秒速22mで,普通列車は秒速16mで進むことが分かりました。
ここで今回聞かれているのは快速列車の時速だったので,あとは秒速22mという値を問題文で聞かれている形に変化させていけば,正しい答えに辿り着けそうです。
このとき単位をきちんと揃えてあげることを忘れずに計算を進めていくと,下のような回答が得られます。
快速列車の速さ[時速・km]=22[秒速・m]×60×60÷1000=79.2[時速・km]
【答え】:時速79.2km
通過算を解くための3つのコツ
通過算を解くための3つのコツを紹介します。
このポイントを押さえることで、通過算の問題がもっと簡単に解けるようになります。
- 問題文をよく読む
何を求められているかをしっかり確認しましょう。
通過算の問題では、速さ、距離、時間の関係を正しく理解することが大切です。どの情報が重要なのかを見極めることがポイントです。 - 速さ、距離、時間の関係を整理する
問題を解く前に、速さ、距離、時間の関係をしっかりと整理しておきます。
たとえば、電車がトンネルを通過する場合は、電車の長さとトンネルの長さを足した距離を計算し、それを使って通過時間を求めます。 - 単位をそろえる
計算するときは、単位をそろえることが重要です。
速さが時速で与えられている場合は、距離もキロメートルでそろえるようにしましょう。
単位がバラバラだと、計算が正しくできないことがあります。
この3つのコツをしっかり覚えておけば、通過算の問題にも自信を持って取り組めるようになります。
練習を重ねて、問題を解く力をつけていきましょう!
図を書いて理解しやすくする
通過算を解くときには、図を書いて問題の状況を理解しやすくすることが大切です。
図を使うことで、問題に出てくる列車やトンネル、電柱などの位置関係や距離がはっきりとわかるようになり、どの情報を使って計算すればよいかが一目でわかります。
通過算の問題では、頭の中だけで状況をイメージしようとすると、どうしても混乱しやすくなります。
たとえば、「列車がトンネルを通過し、そのあとすぐに電柱を通過する」という問題の場合、列車の長さやトンネルの長さ、電柱までの距離などをすべて覚えておかなければなりません。
しかし、図を書いてみると、これらの情報をすべて一目で確認することができ、問題をスムーズに解くことができます。
具体例として、100メートルの長さの列車が200メートルの鉄橋を通過し、そのあとすぐに50メートル先にある電柱を通過する問題を考えてみましょう。
この場合、まず図に列車と鉄橋、電柱を描きます。そして、列車が鉄橋を通過するのに必要な距離(列車の長さ+鉄橋の長さ=300メートル)を図で示します。
次に、電柱までの距離を追加し、全体の距離を把握します。
これにより、どの距離を使って計算するかが明確になります。
このように、図を使うことで問題を視覚的に整理でき、計算ミスを防ぐことができます。
図を書くことは少し手間かもしれませんが、その効果は大きく、問題を解くスピードも正確さも向上します。
難しい問題でも、図を活用することで解きやすくなりますので、ぜひこの方法を取り入れてみましょう。
しっかりと図を書いて問題を整理する習慣をつけることで、通過算の問題にも自信を持って取り組めるようになります。
走った距離を正確に計算する
通過算を解くときには、列車が走った距離を正確に計算することが重要です。
正しい答えを出すためには、列車がどれくらいの距離を走ったのかを正確に理解する必要があります。
これを間違えてしまうと、速さや時間を計算しても正しい答えにはたどりつけません。
通過算の問題では、列車の長さや通過する物体の長さを合わせた距離を正しく計算することが求められます。
たとえば、列車がトンネルを通過する場合、その列車がトンネルを完全に抜けるためには「列車の長さ+トンネルの長さ」を考えなければなりません。
これを忘れてしまうと、計算する距離が短くなってしまい、正確な通過時間が求められなくなります。
具体的な例を考えてみましょう。
もし、長さ100メートルの列車が長さ200メートルのトンネルを通過する場合、列車がトンネルを抜けるまでに必要な距離は「100メートル(列車の長さ)+200メートル(トンネルの長さ)=300メートル」です。
このように、列車が走った全ての距離を考える必要があります
。また、もし列車がトンネルを抜けた後にさらに電柱を通過する場合は、電柱までの追加の距離も考慮に入れる必要があります。
これらのすべてを正確に計算することで、正しい答えを導き出すことができます。
速さの公式を使う
通過算を解くときには、速さの公式を正しく使うことが非常に大切です。
速さ、道のり、時間の関係をしっかり理解することで、どんな問題にも正確に対応することができます。
速さの公式を使うと、計算がシンプルになり、間違えることも少なくなります。
速さの公式は、「速さ = 道のり ÷ 時間」という形で表されます。
この公式を使えば、問題文で与えられた情報から求めたい値を簡単に計算することができます。
たとえば、道のりがわかっていて時間を求めたい場合は、「時間 = 道のり ÷ 速さ」に公式を変えて使うことができます。
また、時間がわかっていて速さを求めたいときも同様です。
具体例を考えてみましょう。
長さ150メートルの列車が秒速30メートルで走っているとします。
この列車が鉄橋を通過する問題で、鉄橋の長さが300メートルだとすると、まずは列車が鉄橋を通過するために必要な距離を計算します。
列車の長さ150メートルと鉄橋の長さ300メートルを足して、合計450メートルです。
次に、速さの公式を使って「時間 = 道のり ÷ 速さ」を計算します。
450メートル ÷ 30メートル毎秒 = 15秒となります。
このように公式を使えば、速さや時間を簡単に求めることができます。
通過算の問題を解くときには、速さの公式をしっかり使いこなすことが大切です。
公式を使うことで計算が楽になり、問題を正確に解くことができます。
速さ、道のり、時間の関係をしっかり覚えておけば、どんな問題にも対応できる力がつくでしょう。
日頃から公式を使った練習を重ねて、通過算を得意にしていきましょう。
通過算の練習問題に関する質問(FAQ)
通過算の問題の解き方に関するよくある疑問は下記の通りです。
ここからそれぞれの疑問について、1つずつ詳しく解説しています。
通過算で出てくる速さの単位を変える必要がある場合、どうすればいいですか?
速さの単位を変える必要がある場合は、基本的な単位変換のルールに従います。
たとえば、時速を秒速に変換するには、時速を3600で割って秒速にします。
逆に、秒速を時速に変換するには、秒速に3600をかけます。
単位変換をミスしないように注意が必要です。
通過算で使う公式の一覧は?
通過算で使う公式の一覧は?
通過算の問題を解くためには、いくつかの基本的な公式を覚えておくと便利です。
以下は、通過算でよく使われる公式の一覧です。
速さの公式 | 速さ = 道のり ÷ 時間 この公式は、物体がどれだけの距離をどのくらいの時間で移動するかを計算するために使います。 |
道のりの公式 | 道のり = 速さ × 時間 ある速さでどれだけの時間移動したかを使って、移動した全体の距離を計算するための公式です。 |
時間の公式 | 時間 = 道のり ÷ 速さ 道のりを速さで割ることで、ある速さで移動したときにかかる時間を計算できます。 |
相対速度の公式 | 追い越しの場合(同じ方向に進む場合): 相対速度 = 速い方の速さ – 遅い方の速さ すれ違いの場合(逆方向に進む場合): 相対速度 = 速い方の速さ + 遅い方の速さ 相対速度は、2つの物体が互いにどのくらいの速さで近づいたり離れたりしているかを示します。 追い越しやすれ違いの問題で使います。 |
通過時間の公式 | 通過時間 = (列車の長さ + 通過する物体の長さ)÷ 相対速度 この公式は、列車が特定の物体(たとえばトンネルや橋)を完全に通過するのにかかる時間を求めるために使います。 |
これらの公式を使いこなすことで、通過算の問題を正確に解くことができます。
しっかり覚えて、問題を解くときに役立ててください。
練習プリントや動画で通過算を含む算数の問題を提供しているサイトはありますか?
1.算数の森(SanSu no Mori)
2.ちびむすドリル
3.ドラゴン桜のスタディサプリ
4.中学受験算数を攻略する WISARDNET
練習プリントや動画で通過算を含む算数の問題を提供しているサイトやYouTubeチャンネルは上記の通り。
基本から応用問題のプリントや、動画を使った分かりやすい解説で学べます。
もし通過算についてより詳しく知りたいのであれば、上記のようなサイトも活用してください。
まとめ:通過算の問題の解き方を分かりやすく解説!
通過算をマスターするためには、基本的なパターンをしっかり理解し、計算手順を正確に進めることが大切です。
よくあるミスとして、列車や物体の長さを考慮し忘れることがありますが、速さや距離、時間の関係を整理して解くことで、これを防ぐことができます。
また、効率よく学ぶためには、基本問題から始めて徐々に難しい問題に挑戦し、間違えた問題をしっかり復習することが重要です。
さらに、比を使った問題や複数のパターンが絡む問題をステップごとに解くことで、複雑な問題にも対応できる力をつけることができます。
通過算を得意にするためには、基礎を固めつつ、練習を重ねて自信をつけていきましょう。
参考のためにこのブログ「中学受験パスポート」に関する記事を次に紹介しておきます。
みなさんも、今日学んだことを使って、どんどん練習してみてくださいね!
基本的なパターンや解法をわかりやすく学ぶことで、通過算の基礎を確実に身につけることができます。
計算ミスを防ぐための注意点やポイントがわかり、問題を正確に解けるようになります。
比を使った問題や複数の要素が絡む問題の解き方を学ぶことで、難しい問題にも自信を持って取り組めるようになります。
効率よく通過算を学ぶためのステップや勉強法が紹介されており、時間を有効に使って学習を進めることができます。
繰り返し練習し、段階的に学ぶことで、通過算が得意になり、試験で高得点を狙えるようになります。