【中学受験】倍数算の解き方をわかりやすく解説します【簡単】

倍数算
こちらのブログから得られるためになるポイントは以下の通りです
  • 倍数算の基本:倍数算の基本的な考え方や計算方法について解説しています。
  • 具体的な問題例:具体的な問題例を用いて、どのように解答を導くかをステップバイステップで説明しています。
  • 解き方のコツ:倍数算を解く際のポイントや注意点についてのアドバイスが記載されています。
  • 応用問題:基本問題から応用問題まで幅広くカバーしており、実践的な練習ができます。

倍数算とは

「倍数算」は「割合(比)」の問題の一つです。
2つの数が増えたり減ったりするとき、変化する前や後の数を求める問題です。

また、いくつかの比が出てくることで、変化する前と後の数を「最小公倍数」を使って考えないといけないので、「倍数算」と呼ばれています。

中学受験では 特殊算と呼ばれる算数の解法がたくさんあります。
その中で「倍数算」は難しく思われます。

倍数算をひとことで説明すると、

同じものに対して複数の比が出てくる問題のことです

この記事では倍数算の問題と解き方を基本から応用までしっかりと図を用いて分かりやすく説明します。

倍数算の基本の解き方をわかりやすく解説

倍数算の基本の解き方
  1. 問題文を読んで線分図を描く
  2. 比の総和を最小公倍数で揃える

倍数算の基本の解き方は上記2ステップです。

まずはこの手順で倍数算の解き方をマスターしましょう。

ここからそれぞれの手順について詳しく解説していきます。

問題文を読んで線分図を描く

まず、問題文から丁寧に線分図を書いてみます。
一つ具体的な問題を例に説明していきます。

問題

太郎と次郎の所持金の比は4:3です。
太郎が次郎に600円をわたしたところ、2人の所持金の比は2:3
になりました。2人の最初の所持金はいくらか?

この倍数算… 同じものに対して複数の比が登場する文章題であるとお伝えしました。
たった1つだけコツが必要 なんです。

線分図を書くときに、600円を渡す前の状態(4:3)と渡した後の状態(2:3)で複数の比が登場する場合、前の状態の比と後の状態の比を区別するために◯、🔲とわかるように比の数字の前に書く事が大事です。

下図を見てください。

倍数算

複数の比が出てくると何が困るでしょうか?

異なる世界(この問題では600円をあげる前と600円をあげた後)の比はいっしょには使えません
数字の比 と 🔲数字の比が2つあっても同じ比として扱うことはできません。

ではいっしょに使えるようにする方法は?…その方法が比の結合 です。
この考え方(方法)が非常に重要です。

では比の統合とはどのようにするかを次で説明します。

比の総和を最小公倍数で揃える

まず共通な部分を見つけること。
上記の例では 線分図の同じ大きさ(◯の世界と🔲の世界の太郎と次郎の合計金額) なのに2つの異なる比(◯と🔲)がありますね。

次は共通な部分の数字を統合します。
統合しますとは最小公倍数に揃えます。

具体的には、600円を上げる前のの7と600円を上げた後の🔲の5の最小公倍数35に揃えます。

数字の比には5を掛け、🔲数字の比には7を掛ければ共通部分が35で合わさります。

統合された比の世界を下図では🔼で表しています。

倍数算

共通項部分が合わされば、比の数字をそろえることができます。

これで複数あった比が一つ(🔼の世界)になりました!

倍数算

ここまで来れば、答えを求めるまであと一歩です。頑張りましょう!
上の図で600円にあたる比は🔼21ー🔼15=🔼6↔︎600円となり🔼1=100円となります。

2人の最初の所持金はいくらかを求めるには
太郎くん=🔼20↔︎2000円

次郎くん=🔼15↔︎1500円
となります。

倍数算の練習問題【基礎から応用まで】

では、実際に問題の解き方について説明していきます。

倍数算の問題は、3つのパターンがあります。

  • 総和が変わらない倍数算の問題
  • 前後の差が変わらない倍数算の問題
  • 前後の和も差も同じではない倍数算の問題

それぞれのパターンに合った解き方を身につけることが非常に重要です。

総和が変わらない倍数算の問題の解き方

倍数算

問題をクリックすると解き方が表示されます

手順① 問題文を読んで、線分図を書いてみましょう。

倍数算

⭕️2人の総和(合計)は姉が妹に200円をあげる前の状態と後の状態では変わらないので、同じ線分の長さの中で、比を用いて線分図を書いてみましょう。

手順② 比の総和を「最小公倍数」でそろえます。 

⭕️比の総和を「最小公倍数」で合わせて、同じ比の世界で考えます。
このことを比を統合すると言います。
やり取り前をの世界、やり取り後を🔲の世界で表します。
比を統合した後の世界を🔼の世界で表します。

やり取りをする前の世界で姉の所持金と妹の所持金の比が3:2のことを◯3:◯2とやり取りをする前の世界での比であることをはっきりとわかるように書きます。(これが重要)

同様にやり取りをした後の世界で姉の所持金と妹の所持金の比が5:4のことを🔲5:🔲4とやり取りをした後の世界での比であることをはっきりとわかるように書きます。(これが重要)

姉の所持金◯3+妹の所持金◯2=姉と妹の合計所持金◯5の線分の長さと、
やり取り後の姉の所持金🔲5+妹の所持金🔲4=姉と妹の合計所持金🔲9の線分の長さが同じです。

したがって同じ線分の長さなので◯5と🔲9のと最小公倍数は🔼45となります。

最小公倍数で求めた🔼の世界は◯(やり取りをする前の世界)と🔲(やり取りをした後の世界)を統合して足したり引いたりできる世界に変換したものを表します。

🔼45にするためには◯の世界を9倍、🔲の世界を5倍して🔼の世界に統合します。

統合した後の線分図が以下になります。

倍数算

統合した線分図が書けたら、正解を出すまであと少しです。頑張りましょう!。

🔼の世界で姉が、妹にあげた200円が🔼の世界で幾つになるかを求めます。

線分図を見ると200円は🔼27と🔼25の差である🔼2と等しいことがわかります。

🔼2=200円となり、🔼1=100円であることがわかります。これがわかれば、線分図の🔼の数字に100円をかければ全ての線分の金額がわかります。

倍数算

この問題では、姉のはじめの所持金を求めますので、🔼27=27✖️100円で 2,700円となることがわかります。・・・(答)

ポイント

やり取りをする前の世界とやり取りをした後の世界)で線分図の長さが変わらない部分を見つけることが重要です。
この問題では姉と妹の合計が変わりません。
変わらない部分について比の統合をしていくことが重要です。

前後の差が変わらない倍数算の問題の解き方

問題をクリックすると解き方が表示されます

倍数算

手順① 問題文を読んで、線分図を書いてみましょう。

倍数算

400円を使う前の世界で姉の所持金と妹の所持金の比が3:2のことを
◯3:◯2とやり取りをする前の世界での比であることをはっきりとわかるように書きます(比の世界をはっきり示すために◯、🔲や🔼を数字の前に書きます)。(これが重要)

倍数算

400円を使う後の世界で姉の所持金と妹の所持金の比が5:3のことを
🔲5:🔲とやり取りをした後の世界での比であることをはっきりとわかるように書きます。(これが重要)

⭕️姉と妹の所持金の差は二人が同じ金額(400円)を使ったので、400円を使う前の状態と、後の状態で変わりません。

姉と妹の所持金の差は変わらないので、同じ線分の長さの中で、比を用いて線分図を書いてみましょう。

倍数算

と🔲の比の世界の差(と🔲)を「最小公倍数」で合わせて、同じ比の世界で考えます。
このことを比を統合すると言います
400円使う前を◯の世界、400円使った後を🔲の世界で表します。
比を統合した後の世界を🔼の世界で表します。

手順② 比の差を「最小公倍数」でそろえます。 
姉と妹の所持金の差は変わらないので、比の差を「最小公倍数」で合わせて、同じ比で考えます。
このことを比を統合すると言います。

二人が400円使う前の最初の所持金の差は
姉の所持金◯3ー妹の所持金◯2=◯1

二人が400円使った後の所持金の差は
姉の所持金🔲5ー妹の所持金🔲3=🔲2

この差が400円使う前と後と同じです。

したがって同じ線分の長さなので◯1と🔲 2のと最小公倍数は🔼 2となります。

🔼 2にするためには◯の世界を2倍、🔲の世界を1倍して🔼の世界に統合します。

統合した後の線分図が以下になります。

倍数算

統合した線分図が書けたら、正解を出すまであと少しです。頑張りましょう!。

🔼の世界で姉と妹が同じ金額400円が🔼の世界で幾つになるかを求めます。

線分図を見ると400円は🔼4と🔼3の差である🔼1と等しいことがわかります。

🔼1=400円であることがわかります。これがわかれば、線分図の🔼の数字に400円をかければ全ての線分の金額がわかります。

この問題では、姉のはじめの所持金を求めますので、🔼6=6✖️400円で 2,400円となることがわかります。・・・(答)

ポイント

400円使う前の世界と400円使った後の世界)で線分図の長さが変わらない部分を見つけることが重要です。
この問題では400円使う前と使った後では姉と妹の差が変わりません。

変わらない部分について比の統合をしていくことが重要です。

前後の和も差も同じではない倍数算の問題の解き方

問題をクリックすると解き方が表示されます

倍数算

手順① 問題文を読んで、線分図を書いてみましょう。
2人の最初の所持金・その後の所持金の比を使って、線分図を書いてみます。

倍数算

この問題は前の例題 2問と違って、少し難易度が上がります。

手順② 最後の比に注目して、姉の線分図を2倍します。

→姉×2=妹 となることを利用します。 
姉の線分図を2倍にしてみると、最後の比が同じになります。


姉と妹のはじめの所持金が◯8:◯3、姉が500円使い妹が300円もらったら同じ金額になります。
◯16ー◯3=◯13=1000円+300円=1300円
→1300÷◯13=100円 

これは、倍数算に限らず線分図を書いて解く問題(売買算、やり取り算、割合を使用した問題など)での重要な考え方を使います。それは、線分図で表した割合と問題で与えられた実際の数字(金額、ものの数など)が関連する部分を見つけることです。

倍数算
倍数算

この問題では◯16ー◯3=◯13が1300円にあたる部分です。

手順③ 姉の所持金を求めます。 
 よって、姉の最初の所持金は、200円×4=800円・・・(答)

倍数算に関するQ&A

倍数算を解くために線分図は必要?

状態が変わった前後(例えば、金額を渡す前、渡した後との変化(解法1の例)、金額を使う前、使う後との変化(解法2の例))での比を統合させるために線分図を書くことは必要です。

線分図の書き方をこの記事で詳しく説明していますのでぜひお読みください。

倍数算は中学受験算数単元での重要度は?

倍数算は、中学受験算数において非常に重要な単元です。

理由は倍数算は、数の規則性や関係性を理解するための基礎となるだけでなく、他の多くの算数の問題解決にも応用されるためです。
特に、比や割合、数列、場合の数など、幅広い範囲での基礎となります。

倍数算の単元をしっかりと理解し、練習することは、中学受験算数全体の学力向上に直結します。
基本から応用まで幅広く学ぶことで、受験に必要な計算力や論理的思考力を身につけることができるため、倍数算は中学受験において極めて重要な単元と言えるでしょう。

倍数算の問題がプリントできるサイトはありますか?

小学生の無料算数学習プリントのサイトをいくつか紹介します。

倍数算は何年生で習いますか?

倍数算は、通常、小学校の高学年(5年生または6年生)で学び始めます。
具体的には、基本的な倍数の概念や比の考え方は5年生で導入され、6年生でより複雑な倍数算や応用問題が取り扱われます。

中学受験を目指す生徒にとって、倍数算の理解は非常に重要であり、この段階でしっかりと基礎を固めておくことが求められます。

まとめ:倍数算の解き方を理解しましょう

  • 倍数算の基本概念:倍数算の基本とその重要性について説明。
  • 解き方のステップ:問題を解くための具体的なステップと方法を紹介。
  • 具体例と応用問題:基本から応用までの問題例を用いて実践的な練習を提供。
  • コツと注意点:倍数算を効果的に解くためのコツと注意点を示す。

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みなさんも、今日学んだことを使って、どんどん練習してみてくださいね!

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中学受験パスポート個別指導塾のオーナー
京進スクールワン吉野町教室を運営している長谷川です。 私は約20年間、小学生から高校生まで合計で1,000名以上の生徒を指導し学びと成長のサポートをしてきました。 本ブログ「中学受験パスポート」では、私の長年の指導経験を元に受験勉強に関する情報発信をしています。 ぜひ本ブログを通じてあなたの受験勉強のお役に立てますと幸いです。
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