【中学受験】差集め算の問題の解き方をわかりやすく解説【裏わざ】

差集め算

差集め算は中学受験で頻出する問題のひとつですが、計算ミスや条件の見落としが多く、正確に解くにはコツが必要です。
このブログ記事では、差集め算の基本的な仕組みから、よくある問題例、解き方のコツ、そして裏わざまでを詳しく解説します。
また、過去問を使った学習方法や、間違えやすいパターンとその対策も紹介しているので、効率よく差集め算をマスターしたい受験生に役立つ内容です。

この記事を読むと得られるためになる点
  • 差集め算の基本的な仕組みを理解し、問題の解き方がわかる
  • 速度や仕事量など、よく出る差集め算のパターンに対応できる
  • 具体的な問題例を通して、実際にどのように計算すればいいかがわかる
  • 効率的に差集め算を解くための「裏ワザ」やテクニックを学べる
  • 過去問を使った学習法や、実戦力を高める方法が身につく
  • よくあるミスや間違えやすいポイントを理解し、正確に解答できるようになる
  • 図や表を使って情報を整理する方法が学べ、ミスを防ぐスキルが向上する

目次

差集め算とは?基礎をおさらい

差集め算は、ある物事の差を利用して複数の情報を比較し、その差の積み重ねを元に計算を進める問題です。
主に、「2つの物の差が時間や距離、仕事量の違いにどのように影響するか」を考え、差を基に全体の変化を求めます。
中学受験で頻出のテーマのひとつであり、特に速さや仕事に関する問題でよく出題されます。
損益算や割合と同じく、差集め算は複雑に見えがちですが、基本の仕組みを押さえれば効率的に解けるようになります。
ここでは、差集め算の基礎から応用まで解説していきます。

差集め算の身近な例

差集め算というと難しく聞こえるかもしれませんが、実は私たちの身の回りにもよくある状況です。ここでは、差集め算を使うとわかりやすくなる、日常生活の例を紹介します。

家族でジュースを分け合う場面

たとえば、家族でジュースを飲む場面を想像してみてください。
お父さんが1本、弟が2本、お母さんが3本飲んだとします。
でも、みんなが同じ本数飲むことにしたいとき、どれくらいの差があるでしょうか?


ここで差集め算を使うと、それぞれの飲んだ本数の差を求め、全員が同じ本数飲むためには、誰がどれだけ増やせばいいか、減らせばいいかがわかります。
このように、差を揃えるための考え方が差集め算の基礎となります。

この問題では、お父さん、弟、お母さんが飲んだジュースの本数を同じにするために、それぞれがどれだけ増やすか、減らすかを考えます。
以下に、差集め算を使った解き方をステップごとに説明します。

① 問題の整理

お父さんが飲んだジュースの本数:1本
弟が飲んだジュースの本数:2本
お母さんが飲んだジュースの本数:3本

② 解き方の手順

🟢 全員の平均を求める

みんなが同じ本数飲むためには、平均の本数を計算します。
平均=(1+2+3)➗=2本
平均は2本となり、全員が2本ずつ飲めば、平等に分けられます。

🟢 各人が増やす・減らす本数を計算する
次に、全員が2本ずつ飲むために、誰がどれだけ増やせばいいか、減らせばいいかを計算します。
お父さんは1本しか飲んでいないので、2本になるために1本増やす必要があります。
弟は2本飲んでいるので、すでに平均の2本と同じです。増やしたり減らしたりする必要はありません。
お母さんは3本飲んでいるので、2本になるために1本減らす必要があります。

答えのまとめ

お父さんは1本増やす。
弟はそのまま。
お母さんは1本減らす。


これで、全員が2本ずつ飲むように揃えることができ、差集め算を使って問題を解決できました。
このように、平均を基にして各人の調整量を計算することで、差を揃えることができます。

友達と歩く速さの違い

友達と一緒に歩いているとき、速さに違いがあることがありますね。
例えば、A君は1分間に80メートル進むのに対して、B君は同じ時間に60メートルしか進みません。
2人が一緒に進むには、どうすればいいでしょうか?


このような場面では、A君とB君の「速さの差」がポイントになります。
A君が速さを少しゆっくりにするか、B君が速さを少し上げることで、2人は同じペースで歩けるようになります。
速さの違いを考え、それをどのように調整するかというのも、差集め算の考え方に通じます。

① 問題の整理

A君の速さ
:1分間に80メートル
B君の速さ:1分間に60メートル
A君とB君が同じペースで進むためには、速さの違いをどのように調整するかがポイントです。

② 解き方の手順

🟢 速さの差を求める

A君とB君の速さの違い(差)を計算します。
80メートル/分−60メートル/分=20メートル/分
80メートル/分−60メートル/分=20メートル/分A君はB君よりも1分間あたり20メートル速く進んでいることがわかります。

🟢 速さの調整方法を考える
2人が同じペースで進むためには、次の2つの方法が考えられます。
A君が速さを調整して、B君に合わせる
A君が1分間に20メートル分だけ速度を落とし、B君と同じ速さで進むようにします。
つまり、A君が60メートル/分のペースに落とせば、B君と同じ速さになります。
B君が速さを調整して、A君に合わせる
B君が1分間に20メートル分だけ速く進むようにします。
つまり、B君が80メートル/分のペースに上げれば、A君と同じ速さになります。

🟢 具体的な調整例を考える
A君の速さを60メートル/分に調整する場合:A君は1分間で進む距離を20メートル分減らす必要があります。
これにより、2人は1分間に60メートルずつ進み、一緒に進むことができます。
B君の速さを80メートル/分に調整する場合:B君は1分間で進む距離を20メートル分増やす必要があります。
これにより、2人は1分間に80メートルずつ進み、一緒に進むことができます。

③ 答えのまとめ

A君が速さを20メートル/分減らして、B君と同じ60メートル/分にするか、B君が速さを20メートル/分増やして、A君と同じ80メートル/分にすることで、2人は同じペースで進むことができます。

お小遣いの使い方の違い

もう1つの例は、お小遣いを使うときの話です。例えば、兄は毎月1000円ずつ貯金しているのに、弟は毎月500円しか貯金できていないとします。
兄弟で同じ額の貯金にしたいとき、弟は毎月どれだけ多く貯金すればいいでしょうか?


このような場合も、差集め算を使って考えます。
毎月の貯金額の差が500円あるので、弟が500円多く貯金すれば、兄と同じペースで貯金を進めることができます。
この考え方は、中学受験の問題でもよく使われる「差を合わせる」問題にそのままつながります。

① 問題の整理

兄の毎月の貯金額
1000円
弟の毎月の貯金額500円
兄と弟が毎月同じ額を貯金するためには、弟がどれだけ多く貯金すればよいかを求めます。

② 解き方の手順

🟢 貯金額の差を求める

兄と弟の毎月の貯金額の差を計算します。
1000円−500円=500円
1000円−500円=500円つまり、兄は弟より毎月500円多く貯金していることがわかります。

🟢 差を埋めるための額を考える
弟が兄と同じ1000円ずつ貯金するためには、毎月の貯金額を500円増やせば、兄と同じペースで貯金ができるようになります。

③ 計算の確認

弟が毎月500円増やして貯金する場合
弟の貯金額は「500円 + 500円 = 1000円」となり、兄の貯金額(1000円)と同じになります。

④ 答えのまとめ

弟は毎月500円増やして貯金する
ことで、兄と同じ額を貯金できるようになります。

チームでの得点の差を合わせる

最後に、スポーツの試合を例にしてみましょう。
例えば、バスケットボールの試合で、AチームがBチームより10点リードしているとします。
このリードを縮めたいとき、Bチームは何点取ればいいでしょうか?

ここでも「差」が重要なポイントになります。
Bチームが10点取れば点差はゼロになり、同点に追いつくことができます。
点差を考えながら、どうやって追いつくかを計算するのも差集め算の基本です。

① 問題の整理

Aチームの得点
:Bチームより10点リードしている
Bチームが取るべき得点:点差を埋めるための得点
BチームがAチームに追いつくためには、10点の差をどう埋めるかを計算します。

② 解き方の手順

🟢 点差を確認する

AチームとBチームの点差は10点です。Bチームはこの10点の差を埋める必要があります。
Bチームが取るべき得点を計算する
点差が10点あるため、Bチームがその差を埋めるためには10点取る必要があります。
これにより、Bチームが10点追加で得点すれば、Aチームと同点になります。

③ 計算の確認

現在の状態:Aチームがリードしている点数は10点。
Bチームが10点を取ると:リードの10点が解消され、両チームが同じ点数になります。

④ 答えのまとめ

Bチームは10点取れば、Aチームに追いつき同点になります。

差集め算の基本的な仕組み

差集め算の基本は、「2つ以上の物事の差」を明確にし、それを積み重ねて解を導くことにあります。
たとえば、AさんとBさんがそれぞれ違う速さで進む場合、速さの差が重要です。
この差を1時間ごとに積み重ねることで、2人の距離がどれだけ広がるかを計算します。

具体的には、Aさんの速さが6km/h、Bさんの速さが4km/hの場合、1時間で2kmの差がつきます。
この差が何時間後に何kmになるのかを計算するのが、差集め算の基本的な仕組みです。

また、仕事の量を比較する問題にもよく使われます。
Aさんが1日でできる仕事量が10個、Bさんは8個できるとすると、1日ごとに2個ずつ差が積み重なります。
この差を基に、例えば「2人が一緒に仕事をして何日後にどれだけの差がつくのか」を考えます。

このように、差集め算では、単位時間ごとに積み上がる「差」に注目し、その合計を出すことで解答を導きます。

差集め算は、速さや仕事のほか、個数や料金などさまざまな場面で応用が効くため、仕組みを理解しておくと、受験問題で幅広く対応できる力が身につきます。

差集め算がよく出る場面とポイント

差集め算がよく出題される場面として、速さや仕事に関する問題が挙げられます。
速さの問題では、2つの移動物体が違う速度で進んでいく場合の距離の差を計算するのが基本です。
たとえば、ある地点から出発したAさんとBさんが異なる速さで移動する場合、速さの違いから時間ごとに生じる距離の差を積み重ねていきます。
これにより、2人の位置がどれだけ離れていくか、または何時間後に再会するかを計算することがポイントとなります。

仕事に関する問題では、2人が同じ仕事をしている場合に、作業速度の差によってどれだけ仕事の量が変わるかを求める場面で使われます。
たとえば、Aさんが1日に100個の作業をこなす一方、Bさんが80個の作業を行う場合、1日ごとの差は20個となります。
こうした差を積み重ねることで、2人が同じ仕事をしたときに、どれくらいの作業量の差が生じるかを計算します。

ポイントとしては、差集め算は「1時間あたり」「1日あたり」など、一定の時間単位ごとに積み上がる「差」に注目することです。
また、問題文に隠されている条件やヒントを見逃さないことが大事です。
たとえば、出発時間の違いや途中で変化する速さなど、条件に応じて差の積み重ねが変わるため、細かな条件の整理が必要となります。

差集め算は計算のルールがシンプルですが、条件の把握が正確であることが、ミスを防ぐための重要なポイントです。

差集め算の解き方とコツ

差集め算を正確に解くためには、基本的な手順をしっかり押さえ、問題文をしっかり整理して取り組むことが求められます。
差を積み上げるためには、時間や仕事量の差が問題にどう影響するかを理解することが必要です。
計算のステップを踏みながら、次に進むべきポイントを確認しつつ解いていくことで、複雑な問題でもミスなく解答を導くことができます。
ここでは、差集め算を効率よく解くためのステップや、見落としやすいミスを防ぐポイントについて解説します。

差集め算を簡単に解くための基本ステップ

差集め算の問題を解く基本的なステップは次の通りです。
まず最初に、問題文をしっかり読み、どの部分に「差」があるかを確認することが重要です。
たとえば、速さの差や、仕事量の差など、どこで差が生じているかを明確にします。
次に、その差が時間や日数に応じてどのくらい積み重なるかを計算します。
ここでは「1時間あたり」「1日あたり」などの単位で差を求めるのがポイントです。

具体的なステップとしては、次の通りです。

  • 問題の設定を理解し、「速さ」「仕事量」「個数」などの差を確認する。
  • 差を基に、単位時間ごとの積み重ねを計算する。
  • 必要に応じて、途中で速さや仕事量が変わる場合も考慮し、計算式に組み込む。
  • 最後に、求めたい結果(距離や仕事量など)を出すために合計を計算します。

このステップを守ることで、問題の複雑さに関わらず、一定の流れで解くことができるようになります。
また、差集め算は、設定の変更や途中で条件が変わることが多いため、問題文を慎重に読み、各ステップで誤解のないように進めることが重要です。

見落としやすい注意点とミスを防ぐポイント

差集め算でよくあるミスとして、まず挙げられるのが「差を間違えること」です。
たとえば、AさんとBさんの速さの差を求める際に、速度の単位や時間の単位を混同してしまうケースが多く見られます。
これを防ぐためには、速さや仕事量の単位にしっかり注意し、計算の前に確認を行うことが重要です。
また、単位時間ごとの差を計算する際に、1時間、1日といった単位の違いを見落とすこともミスの原因となります。

もう一つのミスは、途中で条件が変わる場合の計算ミスです。
たとえば、ある地点でAさんの速さが変わったり、Bさんが途中で休憩を取るなどの条件がある場合、それを反映させないまま計算を進めてしまうことがあります。
このような場面では、問題文に細かく目を通し、条件が変更されるタイミングを明確に把握しておく必要があります。

また、図や表を使わないで頭の中だけで計算しようとすると、複数の数値や条件を混同してしまいがちです。
図や表で整理しながら進めることで、ミスを防ぎ、正確に解答することができるようになります。
差集め算は、ステップがしっかりしていればミスが減らせる問題ですが、問題文の細かい条件を見逃さないことが最も重要です。

差集め算の裏わざ3選!効率的に解く考え方

差集め算を解くとき、基本的な解き方をしっかり身につけることはとても大切です。
問題を一つひとつ丁寧に解くことで、基本的な考え方が身につき、算数の力がぐっと伸びます。
しかし、入試本番では「時間との戦い」も大きなポイントになります。

中学受験では、限られた時間の中で多くの問題を解かなければなりません。
そのため、1問1問に時間をかけすぎると、後の問題に取り組む時間がなくなってしまいます。
そこで役立つのが、「裏ワザ」や「効率的に解くテクニック」です。

裏ワザを使うことで、通常の手順よりも短時間で問題を解くことができる場合があります。
たとえば、図を使ったり、簡単な公式を利用することで、複雑に見える問題をスッと解けるようになります。
これは特に、難問や応用問題に取り組むときに効果を発揮します。

もちろん、裏ワザばかりに頼るのは良くありませんが、時間を節約しながら正確に解答を導くための「引き出し」として持っておくと、試験中に大きな武器になります。
こうした裏ワザを知っているかどうかが、他の受験生と差をつけるポイントになることも多いのです。

これから紹介するテクニックをしっかり身につけて、差集め算の問題をより速く、確実に解けるようにしましょう!

図を使って解きやすくする

図を使うことで、差集め算の問題が視覚的に整理でき、計算の流れが非常にスムーズになります。
たとえば、速さの問題では、2人の進んでいる道筋を図で描き、どこで差が生じるかを一目で確認できるようにするのが有効です。
AさんとBさんが違う速度で同じ方向に進む場合、それぞれの進行距離を線で描き、1時間ごとの距離差を視覚化すると、差を積み上げるイメージがつかみやすくなります。

また、仕事量の問題でも同様に、作業量の違いをグラフや表で表すことで、どれだけの差が積み重なるかが視覚的にわかりやすくなります。
図を描くことで、複雑な条件を整理しやすくなり、ミスも減らせるので、特に条件が多い問題や、途中で状況が変わる問題で有効なテクニックです。

以下に「図を使って解きやすくする方法」を用いた具体的な例題と、その解き方を紹介します。
図を使うことで、差集め算の考え方を視覚的に整理し、理解しやすくします。

問題

AさんとBさんが同じ地点から出発して、同じ方向に歩き始めました。
Aさんの速さは毎時6km、Bさんの速さは毎時4kmです。
2人が出発してから3時間後に、2人の距離の差は何kmになるでしょうか?
図を使って解きましょう。


① 解き方

問題の整理と図の作成AさんとBさんの速さと、進む時間(3時間)を基に、2人の進む距離を図で表します。
Aさんの速さ:6km/h
Bさんの速さ:4km/h
時間:3時間
これを図にすると、時間ごとにAさんとBさんが進む距離の違いを視覚的に把握できます。

② 図から差を確認する

図から、3時間後にAさんが進んだ距離は18km、Bさんが進んだ距離は12kmであることがわかります。
この2人の進んだ距離の差を求めます。
18km−12km=6km
図・・・
③ 答えのまとめ

AさんとBさんの3時間後の距離の差は6kmになります。
図を使った解き方のポイント
速さの違いを視覚化することで、どれくらいの差が生じるかを理解しやすくなります。
この問題では、Aさんが1時間あたり2kmずつBさんより速く進むため、1時間ごとに2kmの差が積み重なることがわかります(6km/h – 4km/h = 2km/h)。
3時間後にはその差が2km/h × 3時間 = 6kmになります。
図を描くことで、距離の差がどのように積み上がるかを視覚的に整理でき、複雑な計算を頭の中だけで行う必要がなくなります。

このように、図を使うことで、2人の進む距離の違いを一目で確認でき、差がどのように増えていくかが理解しやすくなります。
特に、時間や速さが絡む問題では、図を描くことでミスを減らし、正確に解答を導くことができます。

等差を使って簡単な式を立てる

差集め算では、等差を使った式をうまく立てることで、簡単に解を導き出せます。
たとえば、速さの差を毎時間積み重ねる問題では、基本的に等差数列の考え方を応用できます。
毎時間同じだけの差が生じる場合、それを累積していくと、簡単な式で解けるようになります。
たとえば、1時間あたり2kmの差が生じる場合、5時間後の差は「2km × 5時間 = 10km」とすぐに計算できます。

等差とは

「等差」という言葉は、数の間隔がいつも同じで増えたり減ったりすることを指します。
例えば、「2, 4, 6, 8, 10」といった数列では、次の数に進むたびに「2ずつ増える」ので、これが「等差」となります。
これを「等差数列」と呼びます。
等差数列では、最初の数とその次の数との差がずっと一定であるのがポイントです。

このように、一定の単位時間ごとに生じる差を考えることで、複雑に見える問題でもシンプルな式に落とし込むことが可能です。
特に、一定の割合で差が生じる場合には、等差数列の考え方を使い、すぐに解答にたどり着くことができるため、試験時間を大幅に短縮できます。

以下に、「等差を使った簡単な式の立て方」を利用した具体的な例題と、その解き方を紹介します。
この方法を使うと、差が毎回一定の割合で増える問題をシンプルな式で解くことができます。

問題

AさんとBさんが同じ地点から同じ方向に出発しました。Aさんの速さは毎時6km、Bさんの速さは毎時4kmです。
2人の速さの差が毎時間2kmずつ生じるとき、2人の距離の差が20kmになるのは何時間後でしょうか?

等差数列の考え方を使って解きましょう。

① 問題の整理

Aさんの速さ:6km/h
Bさんの速さ:4km/h
2人の速さの差:6km/h – 4km/h = 2km/h
(つまり、毎時間2kmずつAさんとBさんの距離が広がる)


② 式を立てる

AさんとBさんの距離の差が毎時間2kmずつ増えていく(等差)ので、時間を⬜︎時間としたとき、距離の差は次の式で表せます。
距離の差=2km/h×⬜︎時間

距離の差=2km/h×t時間この距離の差が20kmになるときの⬜︎を求めます。

③ 式に代入して解く

距離の差が20kmになるときの式を立てます。
2km/h×⬜︎=20km
2km/h×⬜︎=20km両辺を2で割ると、⬜︎=10時間

④ 答えのまとめ

AさんとBさんの距離の差が20kmになるのは、10時間後です。

⑤ 解き方のポイント

この問題では、速さの差が2km/hで、毎時間同じだけ差が積み重なっていくことがわかっています。
このように差が一定のペースで増える場合、等差数列の考え方を使って、簡単に式を立てることができます。

式は「毎時間の差 × 時間 = 距離の差」というシンプルな形になり、複雑な計算をせずに解答までたどり着くことができます。

比を使って解答時間を短縮する

比を使って差集め算を解くことで、計算を一気に簡略化できます。
たとえば、2人の速さの比が分かっている場合、それを使って差を直接求めることが可能です。
たとえば、Aさんの速さが6km/h、Bさんの速さが4km/hの場合、2人の速さの比は「3:2」です。
この比を基に、どのくらいの差がつくかを一瞬で把握できます。

また、比を使うことで、速さや仕事量の違いを視覚的に把握できるため、頭の中で数値を整理しやすくなります。
計算ミスを防ぐためにも、問題に比が出てきた場合は、それを積極的に活用して効率よく解答することが、受験本番での得点力を向上させるポイントです。

以下に、「比を使った時間短縮テクニック」を利用した具体的な例題と、その解き方を紹介します。
この方法を使うと、比を使って差を簡単に求めることができます。

問題

AさんとBさんが同じ地点から同時に出発して、同じ方向に向かって歩き始めました。
Aさんの速さは毎時6km、Bさんの速さは毎時4kmです。
2人がそれぞれ5時間歩いたときの距離の比を使って、2人の進んだ距離の差を求めてください。


問題の整理

Aさんの速さ
:6km/h
Bさんの速さ:4km/h
速さの比を求めます。速さの比=6:4=3:2
速さの比=6:4=3:2 AさんとBさんの速さの比が3:2であることがわかります。

② 比を使って距離の比を計算する
2人が同じ時間、つまり5時間歩いているため、速さの比はそのまま距離の比に対応します。したがって、AさんとBさんの進んだ距離の比も3:2になります。
Aさんの進んだ距離は「3」の部分、Bさんの進んだ距離は「2」の部分です。

③ 比の合計から具体的な距離を求める
距離の差を比を使って求める場合、比の1つの部分がどれくらいの距離にあたるかを考えます。
速さが6km/hのAさんは、5時間で進んだ距離が6km/h×5時間=30km
速さが4km/hのBさんは、5時間で進んだ距離が4km/h×5時間=20km

④ 距離の差を求める

AさんとBさんの進んだ距離の差を求めます。
30km−20km=10km
30km−20km=10kmしたがって、5時間後のAさんとBさんの距離の差は10kmになります。

⑤ 答えのまとめ

AさんとBさんが5時間歩いたときの距離の差は10kmです。

⑥ 解き方のポイント

速さの比を使うと、時間が同じ場合、距離の比も同じになります。このため、計算を簡単に整理できます。
比を使って考えることで、複雑な計算をせずに、どのくらいの差が生じるかを素早く把握できます。

⑦ 比を使った解き方の効果

比を使うことで、複雑な計算を頭の中で整理しやすくなり、時間の短縮につながります。
特に、速さや仕事量の問題では、比を使って「どちらがどれだけ多いか」を直感的に把握でき、試験での解答スピードが向上します。

この裏ワザを使えば、速さや仕事量の問題を素早く解き、受験の際にも余裕を持って他の問題に取り組むことができます。

よくある差集め算の問題例と解き方

差集め算は中学受験で頻出のテーマです。
ここでは、代表的な4つのパターンについて詳しく解説します。
これらの問題例を解きながら、差集め算の基本と応用をしっかりと理解し、試験でスムーズに解答できる力を養いましょう。

2人の速度の差を利用した問題

問題

AさんとBさんは同じ地点から同じ方向に出発しました。
Aさんの速さは毎時6km、Bさんの速さは毎時4kmです。
2人の距離の差が24kmになるのは何時間後でしょうか?

この問題では、AさんとBさんの速さの違いにより、時間が経つにつれて2人の間に距離の差が生じます。
その差が24kmになるまでに何時間かかるかを求めます。以下に、解き方をステップごとにわかりやすく説明します。

① 問題の整理

Aさんの速さ:6km/h
Bさんの速さ:4km/h
距離の差が24kmになるのは何時間後か?

② 解き方の手順

🟢 速さの差を求める
AさんとBさんの速さの違い(差)を計算します。6km/h−4km/h=2km/h
つまり、1時間ごとに2kmの差が生じることがわかります。

🟢 距離の差を埋める時間を求める
距離の差が24kmになるためには、2人の速さの差(2km/h)がどれくらい積み重なるかを考えます。
時間を⬜︎時間とすると、次の式になります。2km/h×⬜︎=24km
この式を解いて、時間⬜︎を求めます。⬜︎=24km➗2km/h=2時間

仕事量の違いを扱う問題

問題

AさんとBさんがそれぞれ仕事をしています。
Aさんは1時間に8個の仕事をこなし、Bさんは1時間に6個の仕事をします。
2人が同じ時間だけ働いた場合、6時間後に2人の仕事量の差は何個になるでしょうか?

この問題では、AさんとBさんが同じ時間働くと、1時間あたりの仕事量の違いによって、時間が経つにつれて2人の間に仕事量の差が生じます。
6時間後の仕事量の差を求めます。以下に、解き方をステップごとにわかりやすく説明します。

① 問題の整理

Aさんの仕事量:1時間に8個
Bさんの仕事量:1時間に6個
働く時間:6時間
求めるもの:6時間後の2人の仕事量の差

② 解き方の手順

🟢 1時間あたりの仕事量の差を求める
AさんとBさんの1時間ごとの仕事量の差を計算します。
8個/時間−6個/時間=2個/時間
つまり、AさんはBさんよりも1時間に2個多く仕事をこなしています。

🟢 6時間後の仕事量の差を求める
Aさんが1時間に2個多く仕事をするので、1時間ごとに2個ずつ差が広がっていきます
6時間後にこの差がどれくらいになるかを計算します。2個/時間×6時間=12個

③ 答えのまとめ

AさんとBさんの仕事量の差は、6時間後に12個になります。

④ 解き方のポイント

仕事量の差を1時間あたりで考えることで、時間が経つごとにどれだけ差が積み重なるかがわかります。
この問題では、Aさんが1時間あたり2個多く仕事をするため、時間が経つにつれてその差が広がります。
6時間後の差を求めるために、「1時間あたりの差 × 働いた時間」というシンプルな計算で解答を導きます。

個数の差が関係する問題

問題

ある果物店で、Aさんは毎日5個のリンゴを仕入れ、Bさんは毎日3個のリンゴを仕入れています。両者の仕入れ個数の差が30個になるのは何日後でしょうか?

この問題では、AさんとBさんがリンゴを仕入れる個数に違いがあるため、日が経つにつれて仕入れたリンゴの数に差が生じます。
その差が30個になるのは何日後かを求めます。以下に、解き方をステップごとにわかりやすく説明します。

① 問題の整理

Aさんの仕入れ量:毎日5個
Bさんの仕入れ量:毎日3個
求めるもの:両者の仕入れ個数の差が30個になる日数

② 解き方の手順

🟢 1日あたりの仕入れ個数の差を求める
AさんとBさんの1日あたりの仕入れ個数の差を計算します。
5個/日−3個/日=2個/日
つまり、AさんはBさんよりも1日に2個多くリンゴを仕入れます。

🟢 仕入れ個数の差が30個になる日数を求める
Aさんが1日あたり2個ずつ多く仕入れるため、日数が経つにつれて、2人の仕入れたリンゴの差が積み重なっていきます。
この差が30個になるまでに何日かかるかを求めるため、次の式を使います。
2個/日×日数=30個
式を解くと、日数=30個➗2個/日=15日

③ 答えのまとめ
AさんとBさんの仕入れ個数の差が30個になるのは、15日後です。

④ 解き方のポイント

🟢 1日あたりの仕入れ個数の差
この個数の差を求めることで、毎日どれだけ差が増えるかを把握できます。
この問題では、Aさんが1日に2個多く仕入れるので、日が経つごとにその差が2個ずつ広がっていきます。
仕入れ個数の差が30個になるまでの日数を求めるには、「1日あたりの差 × 日数 = 合計の差」というシンプルな式を使って解答を導きます。

⑤ 答え

AさんとBさんの仕入れ個数の差が30個になるのは、15日後です。

このように、差集め算の考え方を使えば、1日ごとの差がどのように積み重なるかを計算し、簡単に解答を得ることができます。

割合の差を使った応用問題

問題

あるお菓子の袋には、A君とB君がそれぞれ好きなチョコレートとキャンディが入っています。袋の中身は、A君の袋はチョコレートが40%、キャンディが60%です。
一方、B君の袋はチョコレートが30%、キャンディが70%です。
A君とB君が持っているお菓子の数は同じで、それぞれ50個ずつ持っています。
A君とB君の袋の中に入っているチョコレートの数の差はいくつでしょうか?


この問題では、A君とB君が持っているお菓子のうち、チョコレートの割合が違うため、それぞれの袋に入っているチョコレートの数に差が生じます。
この差を求めます。以下に、解き方をステップごとにわかりやすく説明します。

① 問題の整理

A君の袋:チョコレートが40%、キャンディが60%
B君の袋:チョコレートが30%、キャンディが70%
A君とB君が持っているお菓子の総数:それぞれ50個

② 解き方の手順

🟢 A君のチョコレートの数を求める
A君の袋の中でチョコレートが占める割合は40%です。
A君の袋にはお菓子が50個入っているので、チョコレートの数は次のように計算できます。50個×0.40=20個
つまり、A君の袋には20個のチョコレートが入っています。

🟢 B君のチョコレートの数を求める
B君の袋の中でチョコレートが占める割合は30%です。
B君の袋にもお菓子が50個入っているので、チョコレートの数は次のように計算できます。50個×0.30=15個
つまり、B君の袋には15個のチョコレートが入っています。

🟢 チョコレートの数の差を求める
A君とB君の持っているチョコレートの数の差を計算します。
20個−15個=5個
つまり、A君の袋にはB君より5個多くチョコレートが入っています。

③ 答えのまとめ

A君とB君の袋の中に入っているチョコレートの数の差は5個です。

④ 解き方のポイント

割合を使って具体的な個数を求めることで、A君とB君の袋に入っているチョコレートの数を簡単に計算できます。
お菓子の総数が同じ50個であるため、割合をかけてチョコレートの個数を求め、その差を取ることで、正確に答えを導くことができます。

このように、割合を利用して具体的な数を求め、差を計算することで、複雑な問題もシンプルに解くことができます。

⑤ 応用のヒント

この問題を解く際に、「お菓子の全体数が同じ」という条件があったため、割合の差をそのまま差集め算に利用できました。
もし、A君とB君が持っているお菓子の数が異なる場合は、それぞれの総数に応じて調整する必要があります。
また、問題によっては「キャンディの数の差」を求めることもありますが、全体数が同じ場合はチョコレートの割合の差を使って考えるのが一番効率的です。

面積図を使った応用問題

問題

ある本を毎日24ページずつ読んでいくと、10ページずつ読む時より7日早く読み終わります。この本のページ数を求めなさい。

この問題では、1日に読むページ数が違うときの読み終わる日数の差を使って、本全体のページ数を求めます。
面積図を使って解く方法を、以下のステップに分けて説明します。

① 問題の整理

毎日10ページずつ読むときの読み終わる日数を「A日」とする。
毎日24ページずつ読むときの読み終わる日数を「B日」とする。
A日B日より4日長い(4日早く読み終わるため)。

② 面積図の使い方と考え方

面積図では、「縦」を1日に読むページ数、「横」を読む日数、「面積」を本全体のページ数として考えます。

🟢 面積図の書き方と説明
面積図を使って、1日に読むページ数を縦、読み終わる日数を横として長方形を描きます。
縦をページ数、横を日数と下図(面積図)で長方形()と()はどちらも本全体のページ数を表し、面積が等しいのでとなります。

の面積(24-10)✖️⬜︎ = の面積(10✖️7=70)

(24-10)✖️⬜︎=10✖️7より ⬜︎=70➗14=5日差集め算
③ 答えのまとめ

本全体のページ数は24✖️5=120ページとなります。

④ ポイントのまとめ

面積図で本全体のページ数を面積として考える。
1日に読むページ数と日数の違いから、2つの面積図の差を利用して式を立てる。
差を使って日数を求め、最終的に本全体のページ数を計算する。

取り違えの応用問題

問題

1個100円のリンゴと、1個60円のみかんを合わせて15個買う予定でしたが、買う個数を逆にしたため、120円高くなりました。最初にみかんは何個買う予定でしたか?

① 問題の整理

リンゴの価格:1個100円
みかんの価格:1個60円
リンゴとみかんの合計個数:15個
買う個数を逆にしたら120円高くなった

② 解き方の手順

🟢 リンゴとみかんの差が生まれる理由を考える
リンゴは1個あたり100円、みかんは1個あたり60円なので、リンゴ1個とみかん1個の価格の差は40円です(100円 – 60円 = 40円)。

🟢 逆にしたときの差から、みかんとリンゴの個数の違いを求める
最初の予定では、みかんとリンゴを合わせて15個買うつもりでしたが、逆にしたことで合計金額が120円高くなりました。
リンゴとみかん1個あたりの差(40円)金額の差(120円)を使います。
120円の差を埋めるために必要な差の個数を考えると、120円➗40円=3個
つまり、最初に買う予定だったみかんの個数と、逆にして買ったみかんの個数の差が3個ということです。

🟢 みかんとリンゴの個数を求める
最初に買う予定だったみかんが、リンゴより3個多かったとすると、みかんの個数は9個、リンゴの個数は6個となります。
みかんとりんごの個数の和は15個、差は3個だから、和差算を使って予定していたみかんの個数は、(15+3)➗2=9個
みかんとリンゴを合わせると9個 + 6個 = 15個で、条件と一致します。

③ 答えのまとめ

初に買う予定だったみかんの個数は、9個です。

④ 解き方のポイント

リンゴとみかんの1個あたりの価格差(40円)に注目する。
合計金額の差(120円)を使って、みかんとリンゴの個数の差を求める。
試行錯誤で実際の個数を導き出す方法を使うことで、小学生でも理解しやすくなります。

このように、難しい式を使わずに、価格差をうまく利用して答えを導き出すことができます。

面積図で解く速さの応用問題

問題

A君は毎朝家から学校へ行くのに、分速60mで歩くと分速50m出歩くよりも2分早く到着します。
A君の家から学校までの距離は何mですか?


この問題では、1日に読むページ数が違うときの読み終わる日数の差を使って、本全体のページ数を求めます。
面積図を使って解く方法を、以下のステップに分けて説明します。

① 問題の整理

A君の速さ(速い場合):分速60m
A君の速さ(遅い場合):分速50m
速い場合の方が2分早く到着
A君の家から学校までの距離(m)

② 解き方の手順

面積図の使い方と考え方
面積図では、「縦」を速さ(分速)、「横」を時間(分)、「面積」を家から学校までの距離(m)として考えます。

面積図の描写と説明
面積図を使って、速さ(分速)を縦、時間(分)を横として長方形を描きます。

縦を速さ(分速)、横を時間(分)と下図(面積図)で長方形(①と②)と(③と②)はどちらも家から学校までの距離(m)を表し、面積が等しいので①=③となります。
(60-50)✖️⬜︎=50✖️2より⬜︎=100➗10分

家から学校までの距離(m)は60✖️10=600mとなります。
差集め算
③ 答えのまとめ

家から学校までの距離(m)は60✖️10=600mとなります。

④ 解き方のポイント

面積図を使うと、「速さ × 時間 = 距離」の関係を視覚的に整理し、時間の差がもたらす距離の等式を簡単に理解できます。

差集め算をマスターする学習方法

差集め算をマスターするためには、繰り返し問題に取り組み、基本的な考え方を確実に身につけることが大切です。
特に過去問を利用して、試験本番に近い問題を解きながら実践的な力をつけることがポイントです。
また、間違えやすいポイントをしっかり理解しておくことが、スムーズに解答するためのカギとなります。

過去問を使った学習法とポイント整理

差集め算を効率よくマスターするために、まず過去問を活用することが非常に効果的です。
過去問には、実際の試験で出題された問題が含まれており、差集め算の典型的な出題パターンや傾向を把握できます。
まずは、できるだけ多くの過去問に取り組み、問題に慣れることが重要です。
特に、差がどのように積み重なるかを問う問題では、何度も練習することで自然と解答までのステップが身につきます。

過去問を解く際には、時間を測り、試験本番を想定したペースで進めましょう。
解き終わった後は必ず解答を確認し、間違えた部分の理解を深めます。
どの部分でミスをしたかをチェックし、同じミスを繰り返さないようにすることが重要です。
また、解けた問題でも、他の解法がないかを考えることで、より効率的な解法が見つかる場合もあります。
たとえば、裏ワザや比を活用した簡単な式の立て方を試してみるなど、様々な角度から問題にアプローチすることも有効です。

特に、中学受験のような時間制限のある試験では、速く正確に解く力が求められます。
過去問を何度も解いて、解答スピードを上げる練習を積むことが大切です。

間違えやすいパターンと対策

差集め算の問題では、いくつかの典型的なミスが発生しやすい場面があります。
特に、速さや仕事量の差を扱う問題では、計算途中でミスをすることがよくあります。

ここでは、よくある間違えやすいパターンを整理し、それぞれの対策を具体的に紹介します。
ミスを減らし、正確に解答を導くためには、問題文の理解と計算手順の整理が重要です。

パターンと対策

差を正しく計算できない
差集め算で最もよくあるミスは、「差」を正しく計算できないことです。
たとえば、速さの問題ではAさんとBさんの速さの差が重要ですが、2人の速さを引き忘れる、または引く順番を間違えることが多く見られます。
例えば、Aさんの速さが6km/h、Bさんの速さが4km/hのとき、速さの差は「6km/h – 4km/h = 2km/h」です。
ここで引き算を誤ってしまうと、後続の計算すべてに影響を及ぼします。

① 対策

差を計算する際には、問題文を慎重に読み、数値をしっかり整理してから計算を始めましょう。
まず、速さや仕事量がどのくらい違うのかを確認し、計算前に差の確認をルール化しておくとミスを防げます。

単位の違いを見落とす
次によくあるのが、単位を見落とすミスです。
速さや仕事量の問題では、「km/h」「個/日」など、単位が異なる値を同時に扱うことがあります。
単位の違いを無視してそのまま計算すると、結果が大きくずれてしまいます。
たとえば、1時間の速さの差を求める問題で、kmとmを混同すると間違えやすくなります。

① 対策

単位に注意するためには、問題文を読んだ後、必ず単位をチェックする習慣をつけましょう。
また、計算に入る前に、全ての単位が揃っているかを確認しておくことで、単位ミスによる計算違いを避けることができます。

計算順序を間違える
差集め算では、積み重なる差を時間や作業量に応じて計算していくため、計算の順序を間違えると正確な答えが出ません。
たとえば、「1時間ごとの差」を積み重ねる部分で、全体の差を一気に求めようとしたり、逆に全体を割る際に誤って逆の計算をしてしまうミスがあります。

① 対策

計算を分解して進めることが重要です。
1つずつ段階的に計算し、次のステップに進む前に確認を行うようにしましょう。
特に、時間や作業量を足し算・掛け算する場面では、順序を守ることで正確な結果が得られます。

問題文の条件を見落とす
差集め算の問題文には、細かい条件が含まれていることがあります。
たとえば、出発時刻が違う、途中で速さが変わる、仕事の量が途中で増減するなどです。
これらの条件を見落として計算を進めると、全体の答えが誤ってしまいます。

① 対策

問題文を読むときには、出発時刻や速度の変化、仕事量の変化などの条件を丁寧に確認します。
条件を見逃さないために、重要なポイントに線を引くなど、視覚的に整理しながら読むとミスが減ります。
また、複数の条件が絡む問題では、表や図を使って整理することも有効です。

図や表を使わずに頭の中で処理しようとする
差集め算は複数の要素が絡む問題が多いため、頭の中だけで計算を進めると、混乱してしまうことがあります。
特に、複数の時間や人数、物の数が関係する問題では、図や表を使って情報を整理せずに解こうとすると、計算ミスの原因となります。

① 対策

図や表を使って、視覚的に情報を整理しましょう。
たとえば、速さの問題では進む距離を図に表す、仕事の問題では人数ごとの作業量を表にまとめるなど、情報を整理するためのツールを使うことで、誤解やミスを防ぐことができます。

保護者ができる差集め算の教え方

保護者が差集め算の学習をサポートすることで、受験生の理解が深まり、より効率的に問題を解けるようになります。
ここでは、子どもの学習をサポートする具体的な方法を紹介します。

子どもの理解度を確認する質問とヒント

保護者が子どもの差集め算の理解度を確認するためには、次のような質問を投げかけると効果的です。

  • 速さや仕事量の差をどう使っているのか、具体的に説明できる?
  • この問題では、どこで差が出ているか分かるかな?

子どもが言葉で説明できるかどうかを確認することで、理解度が明確になります。
また、図や表を使って視覚的に整理する方法を教えるのも効果的です。

効果的な練習を進めるためのサポート方法

学習の進捗を確認しながら、繰り返し練習することで、差集め算のコツをつかめます。
保護者は次のような方法でサポートできます。

  • 定期的な進捗確認: 過去問や問題集を使って、どれくらい解けるようになったかを確認する。
  • 時間を測って練習: 時間制限を設定して練習することで、試験本番のペース配分に慣れさせます。
  • 計算ミスを減らす対策: 子どもがどこで間違えやすいのかを見極め、特定のミスに対する対策を一緒に考える。

試験本番で差集め算を解く時間を短縮するテクニック

試験本番では限られた時間内に多くの問題を解く必要があるため、効率よく解くための時間短縮テクニックを身に付けることが重要です。
ここでは、試験で差集め算を素早く正確に解くためのコツを紹介します。

先に使う差を確認して効率的に計算する

差集め算では、差がどれだけ積み重なるかを正確に把握することが最初のステップです。
問題文を読んで、すぐに差を確認し、計算を始められるようにするためのポイントを以下にまとめます。

差を先に計算

速さや仕事量などの差が分かったら、それを1つの式にまとめて先に計算し、その後に全体の積み重ねを考えます。

比を使う

比を使って数値を簡単にまとめられる場合は、それを利用して時間を節約しましょう。たとえば、速さの比が3:2であれば、それを使って差を計算することで、無駄な計算を減らすことができます。

図や表を使って視覚的に整理する

図や表を使うことで、情報を整理しやすくなり、問題を解くスピードが大幅に向上します。

差を先に速さの問題では距離の図

AさんとBさんの進む距離を図で描くことで、差の積み重ねが一目でわかるようになります。

差を先に表で仕事量をまとめる

仕事量の差を表形式で整理することで、どのくらいの差が発生しているかがすぐに把握でき、複雑な計算を避けられます。

差集め算に関するQ&A

差集め算が苦手なのですが、どうやって克服すればいいですか?

差集め算を克服するためには、まず基本の解き方をしっかりと理解することが大切です。
簡単な問題から始めて、「なぜその答えになるのか」を自分の言葉で説明できるようにしましょう。
また、毎日少しずつ問題に取り組むことで、計算や考え方に慣れることができます。
問題を解くときは、図や表を書いて視覚的に整理すると、理解しやすくなります。

差集め算の問題が出やすい中学はどこですか?

差集め算は多くの中学校の入試で出題される頻出テーマです。
特に、算数の応用問題が多い進学校や、問題文の長い文章題を好む学校でよく出題される傾向があります。
具体的には、開成中学、麻布中学、灘中学などの難関校や、理系に力を入れている私立校では差集め算が含まれる問題が出やすいです。
過去問をチェックして、自分が目指す学校の傾向を把握することが重要です。

子どもが差集め算を解くとき、いつも途中でミスをしてしまいます。どうすればミスを減らせますか?

差集め算でのミスを減らすためには、解き方の順序を意識すること問題文をしっかり読み込むことが重要です。
特に、「差」や「合計」といったキーワードが問題文にどう関わるかをチェックしましょう。
具体的な対策として、問題を解く際に必ず式や計算過程を紙に書く習慣をつけると、ケアレスミスを防ぐことができます。
また、間違えた問題は解き直しをして、どこでミスしたのかを確認しましょう。

差集め算の裏ワザを覚えると、基本の解き方が不要になりますか?

いいえ、裏ワザはあくまで解き方を「効率よくする」ための補助的な手段です。
基本の解き方を理解していないと、応用問題や問題のバリエーションに対応できなくなります。
まずは基本をしっかり理解し、解けるようになってから、裏ワザを使って効率よく解く方法を身につけるようにしましょう。
基本と裏ワザをバランスよく使いこなすことが、実力を伸ばすためのポイントです。

差集め算の学習にはどれくらいの時間をかければいいですか?

差集め算の学習にかける時間は、他の学習内容とのバランスにもよりますが、毎日15分から30分程度を目安に取り組むと良いでしょう。
短い時間でも継続して練習することが大切です。
特に、試験が近づいている時期には、過去問を使った実戦練習に時間を増やして、時間配分の感覚を養うこともおすすめです。
問題を繰り返し解くことで、難しい問題でも素早く対応できるようになります。

まとめ:割合の差を使った問題も差集め算でスッキリ解ける!

今回紹介した「割合の差を使った応用問題」では、割合を使ってチョコレートの数の差を簡単に求める方法を学びました。
ポイントは、割合の差を実際の個数に変換する考え方を理解することです。
A君とB君の持っているお菓子の総数が同じだったため、割合の差をそのまま計算に活用できました。

このように、差集め算は割合を含む問題でも役立つ便利な考え方です。
基本の考え方を押さえ、効率よく解けるテクニックを使うことで、難しい問題でもスムーズに解答できるようになります。
受験の本番でも活かせるスキルなので、ぜひたくさんの問題を解いて、マスターしておきましょう!

参考記事:【中学受験】時計算の裏ワザ!解き方をわかりやすく解説します
参考記事:旅人算の問題の解き方を徹底攻略!中学受験のための完全ガイド
参考記事:仕事算の問題・解き方を完全攻略!中学受験で使える公式も解説します
参考記事:食塩水の濃度の計算方法とは?公式の覚え方もわかりやすく解説します
参考記事:【中学受験】倍数算の解き方をわかりやすく解説します【簡単】
参考記事:通過算の問題の解き方をわかりやすく解説!基本問題から応用まで

みなさんも、今日学んだことを使って、どんどん練習してみてくださいね!

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京進スクールワン吉野町教室を運営している長谷川です。 私は約20年間、小学生から高校生まで合計で1,000名以上の生徒を指導し学びと成長のサポートをしてきました。 本ブログ「中学受験パスポート」では、私の長年の指導経験を元に受験勉強に関する情報発信をしています。 ぜひ本ブログを通じてあなたの受験勉強のお役に立てますと幸いです。
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