算数の学びをもっと楽しく、そして効率よく進めたいと考えている中学受験生やその保護者の皆さんへ。
今回は、多くの受験生が悩みがちな「最大公約数」をテーマに、簡単な求め方や使い分けのコツ、そして応用問題への活かし方までをわかりやすく解説します。
最大公約数の計算は、一見すると難しそうに思えるかもしれませんが、ポイントを押さえればスムーズに解けるようになります。
このブログでは、基礎から応用まで楽しく学べるヒントをたっぷりお届けしますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
- 最大公約数の基本的な意味と求め方をわかりやすく学べる。
- リストアップ法、連除法、ユークリッドの互除法といった計算方法の特徴と使い分け方を理解できる。
- 最大公約数を使った応用問題へのアプローチ方法が身につく。
- 速さや割合、個数分け問題など、実際の試験で役立つ応用力が強化できる。
- 図や便利なテクニックを活用した、楽しく学ぶ方法を取り入れられる。
- 計算ミスを防ぐための注意点や、間違えやすいポイントに対する具体的な対策がわかる。
- 電卓やアプリの活用方法と、中学受験に適した学び方のバランスを知ることができる。
目次
最大公約数とは?中学受験で押さえておきたい基本
最大公約数は、中学受験の算数で頻出する重要な概念です。
2つ以上の自然数に共通する約数の中で最も大きな値を指し、分数の約分や整数の分配、応用問題の計算を簡単にする強力な道具となります。
中学受験では、最大公約数を求める問題や、それを活用する応用問題がよく出題されます。
「リストアップ法」「連除法」「ユークリッドの互除法」などを使い分けて効率よく解く力が求められ、均等分配や条件に合った分け方を考える問題で特に役立ちます。
「リストアップ法」「連除法」「ユークリッドの互除法」については、最大公約数を簡単に求めるのに便利なテクニック3選を参照してください。
学習は、基本のリストアップ法から始め、連除法や互除法へと進むことで、着実に実力が向上します。
効率的な方法を理解し、問題ごとに適切な手法を選べるようになることで、最大公約数を試験の得点源として活用できるようになるでしょう。
約数とはをわかりやすく解説
約数とは、ある数を割り切ることができる自然数のことです。
例えば、12という数を考えると、1、2、3、4、6、12がすべて12を割り切ることができます。
これらが12の約数です。
小学生にとって約数は、数の基本的な性質を理解する上で欠かせない概念であり、中学受験の算数でも繰り返し登場する重要なテーマです。
約数を考える際には、「その数を構成している要素」として捉えると理解しやすくなります。
たとえば、12の約数を見つけるために、12を1から順番に割っていくと、割り切れた数がすべて約数としてリストアップできます。
このように数の性質を調べる過程は、問題を丁寧に解く力を養う練習にもなります。
12の約数を見つける手順をステップで解説します。
1、12を間を空けて書く。
1の次に大きい数で12を割り切れる数を探すと、2であることがわかります。
12を今見つけた2で割ると6です。1の右横に2と書きます。12の左横に6と書きます。
次に大きい数で12を割り切れる数を探すと、3であることがわかります。
12を今見つけた3で割ると4です。2の右横に3と書きます。66の左横に4と書きます。
これで1と12の間が全て埋まり、12の約数が1、2、3、4、6、12ということがわかります。
この両端から挟み込むようにして求めるやり方は約数に漏れがないように求める便利な方法ですから、理解してください。
公約数とはをわかりやすく解説
公約数とは、複数の数に共通する約数のことを指します。
この概念を理解するために、まず各数の約数をリストアップし、その中から共通するものを見つける手順を覚えることが大切です。
例えば、18と24の公約数を求める場合、それぞれの約数を考えます。
18の約数は1、2、3、6、9、18、24の約数は1、2、3、4、6、8、12、24です。
この中で共通する約数、つまり公約数は1、2、3、6となります。
中学受験では、公約数を正しく求める力が問われる場面が多くあります。
特に、問題の条件に従って「最大公約数」を求めたり、公約数を使って最適な数の分け方を考えたりする問題が典型例です。
また、計算問題に限らず、公約数を応用する文章題もよく出題されます。
最大公約数の意味をわかりやすく解説
最大公約数とは、複数の数に共通する約数の中で最も大きい値のことを指します。
たとえば、18と24の場合、それぞれの公約数は1、2、3、6ですが、最大公約数はその中で最も大きい6になります。
この概念は単なる計算方法を超えて、数の仕組みや関係性を理解するうえで重要な役割を果たします。
中学受験では、最大公約数が頻出する理由の一つに「効率的な計算」が挙げられます。
最大公約数を使うことで、問題をシンプルに解きやすくすることができるからです。
たとえば、分数の約分では最大公約数を使うことで、計算がスムーズになり、ミスを防ぐ効果があります。
また、整数を特定の条件で分ける問題では、最大公約数を利用することで答えが明確になります。
ところで、最大公約数とにた言葉で最小公倍数という言葉を聞いたことがありますね。
最大公約数と似た言葉として、「最小公倍数」というのがあります。
簡単に解説しておくと、最小公倍数とは「2つ以上の正の整数の共通な倍数のうち最小のもの」のことを言います。
では、先ほどと同様に18、24という2つの正の整数を考えてみます。
18の倍数は「18、36、54、72、90・・・」ですね。
24の倍数は「24、48、72、96・・・」ですね。
以上の2つの共通な倍数のうち、最小のものは72ですね。
よって18と24の最小公倍数は72になります。
最大公約数だけでなく、最小公倍数の意味もしっかり理解しておきましょう!
最大公約数を楽しく効率的に学ぶヒント
最大公約数を楽しく効率的に学ぶには、視覚的な学び方や便利なテクニックを活用することが大切です。
例えば、図を使って四角形や円を分割することで、最大公約数の概念を直感的に理解できます。最大公約数を直感的に理解するには、図を使った学習が効果的です。
ここでは具体的な例として例1、例2をあげてみます。
視覚的に情報を整理することで、複雑に見える概念もシンプルに捉えられるようになります。
特に、小学生にとって「目で見てわかる」アプローチは、計算の意味を実感しやすく、忘れにくいというメリットがあります。
例1
たとえば、8個の点と12個の点を使い、それぞれを並べて長方形を作る方法があります。
8と12を短辺と長辺に割り当て、正方形を敷き詰めるように分割していくと、最大の正方形の辺の長さが8と12の最大公約数になります。
8と12を使った長方形を描く
まず、8個の点と12個の点を用意します。これらを使って縦が8、横が36の長方形を描きます。
正方形で分割してみる
この長方形を、できるだけ大きな正方形で敷き詰めるように分割します。
例えば、最初に1✖️1の小さな正方形を敷き詰めると8列×12行になりますが、これは最大公約数の視点では効率が悪いです。
敷き詰めた正方形の一辺ができるだけ長いほうが、最大公約数を表します。
最大の正方形を見つける
敷き詰めを進めると、縦8と横12の両方でピッタリ収まる正方形の一辺の長さがわかります。
この場合、最大の正方形の辺の長さは4です。つまり、8と12の最大公約数は4であるとわかります
ポイント
- 点を並べて長方形を作る: 8個の点と12個の点を使い、それぞれを短辺と長辺に割り当てた長方形を描きます。
- 正方形で分割する: 長方形をできるだけ大きな正方形で敷き詰めるように分割します。
- 最大の正方形の辺: 敷き詰めた正方形の辺の長さが8と12の最大公約数である「4」になります。
- 視覚的な理解: この方法を使うと、「どれだけ大きな単位で分けられるか」を視覚的に理解できます。
- 導入として最適: リストアップ法や互除法を学ぶ前段階として、最大公約数の直感的な理解に役立ちます。
例2
1周24cmと36cmの円を使った最大公約数の理解
考え方:
この方法では、2つの円の周長を同じ小さな角度で分割して、分割線が完全に重なる角度を探します。この角度を見つけることで、**最大公約数が持つ「共通する周期」**を直感的に理解することができます。以下で詳しく説明します。
円を同じ小さな角度で分割するとは?
分割線が円周上の点として現れます。
1周24cmの円と1周36cmの円を考えます。
この2つの円を、例えば「1度ずつ」や「10度ずつ」といった同じ角度で等分します。
分割線が重なるポイントを探す
この共通の分割点を見つけるためには、24cmと36cmの最大公約数を考えます。
2つの円の周長(24cmと36cm)は異なりますが、どちらも「共通する分割点」が存在します。
最大公約数の役割
1周36cmの円は36 ÷ 12 = 3回で重なる点に戻ります。
最大公約数(24と36の場合は12)が、この共通の周期性を表します。
つまり、2つの円は「12cmの単位」で分割される部分で完全に重なることがわかります。
1周24cmの円は24 ÷ 12 = 2回で重なる点に戻ります。
実生活でのイメージ
例えば、2人の動きやイベントが異なる周期で繰り返される場合でも、最大公約数を使えば「同時に起こるタイミング」が簡単にわかります。
これを「繰り返し」や「タイミング」に当てはめると、2つの物事が周期的に重なる瞬間を見つけるのに役立ちます。
ポイント
- 円を使うと、最大公約数が「共通する周期性」を視覚的に理解できる。
- ただ計算するだけでなく、図形的なイメージで学ぶことで、最大公約数の持つ意味を深く実感できる。
- この考え方は、周期性やタイミングを考える問題で非常に有効です!
こうした図を使ったアプローチは、小学生にとって「目で見てわかる」感覚を養い、最大公約数を楽しく学ぶための効果的な方法です。
最大公約数を簡単に求めるのに便利なテクニック3選
最大公約数を効率的に求めるためには、便利なテクニックを知っておくことが重要です。
これらの方法を活用することで、計算ミスを減らし、解くスピードを上げることができます。
特に中学受験では、時間内に正確な答えを導き出すことが求められるため、こうしたテクニックが力を発揮します。
ではまず初めに リストアップ法について説明します。
リストアップ法
適した場面
- 数字が小さい場合(10以下のような範囲)。
- 基本的な学習段階で最大公約数の概念を理解する練習として使用する場合。
リストアップ法で最大公約数を求める方法
リストアップ法は、2つの数の約数をすべてリストアップし、共通しているものの中で一番大きな数を見つける方法です。初めて最大公約数を学ぶ小学生にとってわかりやすく、基本を理解するのに最適な手法です。
例題:18と24の最大公約数を求めましょう。
それぞれの約数をリストアップ
18の約数
18を割り切れる数を順番に探していきます。
→ 1, 2, 3, 6, 9, 18
24の約数
同じように、24を割り切れる数を順番に探します。
→ 1, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 24
共通している約数を探す
18と24の約数を比べて、共通しているものを抜き出します。
共通する約数: 1, 2, 3, 6
一番大きな共通の約数を選ぶ
共通する約数の中で、一番大きい数を選びます。
最大公約数は6です。
確認
18と24の両方が6で割り切れることを確かめてみます。
- 18 ÷ 6 = 3
- 24 ÷ 6 =4
どちらも割り切れるので正しい答えです!
リストアップ法で基礎をしっかり身につけることで、最大公約数の概念を正しく理解できます!
- 数字が小さい場合はこの方法が便利で、約数をリストアップして比較するだけで簡単に解けます。
- 数字が大きくなるとリストアップが大変になるので、他の方法(連除法や互除法)を使うと効率的です。
リストアップ法で基礎をしっかり身につけることで、最大公約数の概念を正しく理解できます!
次に連除法について説明します。
連除法
適した場面
- 複数の数字の最大公約数を求めるとき。
- 数字が中程度の大きさ(100程度まで)の場合に便利。
使い方の例
72と108の最大公約数を求める場合、全てを素数(2や3など)で割り続け、共通する素因数を見つけます。
この方法は、複数の数字でも効率よく計算でき、手順も単純なので実用的です。
例題: 72と108の最大公約数を、すだれ算を使って求めます。
最初の公約数を探す
108と72の両方を割り切れる公約数を見つけます。この場合、一番小さい素数である2が公約数です。
- 108 ÷ 2 = 54
- 72 ÷ 2 = 36
商として、54と36を下に書きます。
次の公約数を探す
次に、54と36の公約数を見つけます。今度は2が共通の約数です。
- 54 ÷ 2 = 27
- 36 ÷ 2 = 18
商として、27と18を下に書きます。
次の公約数を探す
次に、27と18の公約数を見つけます。今度は3が共通の約数です。
- 27 ÷ 3 = 9
- 18 ÷ 3 = 6
商として、9と6を下に書きます。
次の公約数を探す
次に、9と6の公約数を見つけます。今度は3が共通の約数です。
- 9 ÷ 3 = 3
- 6 ÷ 3 = 2
商として、3と2を下に書きます。
次に3と2の公約数を見つけたいのですが、もう公約数はありませんのでここで終わりです。
拾い上げた公約数を掛け合わせる
横に書いた公約数(赤い縁で囲んだ)数を掛け合わせます。
→ 2✖️2✖️3✖️3=36
答:108と72の最大公約数は36です。
- 公約数で割り続ける
- 公約数が 1 しかなくなったら、すだれ算を終了する
- 拾い上げた公約数たちを全て掛け合わせる
- 全てを掛けたときの値が求める最大公約数です。
- 数字が小さい場合はこの方法が便利で、約数をリストアップして比較するだけで簡単に解けます。
ちょっとしたこつ
108 =2✖️2✖️3✖️3✖️3
72 =2✖️2✖️2✖️3✖️3 と素数の積の形になっています。
自然数は素数ばかりの積の形で表すことができます。
このように、素数の積の形を思い描きながら、公約数たちを割る数として拾い上げていたわけです。
素数は、1と自分自身以外では割り切れません。
素数のポイント
- 1は素数ではないので注意しましょう。
- 2は唯一の偶数の素数です。3以上の偶数は、すべて2で割り切れるので素数ではありません。
たとえば、6は1、2、3、6で割り切れるので素数ではありませんが、7は1と7だけで割り切れるので素数です。
素数は「割る相手が少ない特別な数」と覚えるとわかりやすいですね!
参考までに20まで素数は、2、3、5、7、11、13、17、19です。
最後にユークリッドの互除法について説明します。
ユークリッドの互除法
適した場面
- 2つの大きな数字(100以上)の場合に最も効率的。
- 桁数が多く、リストアップや連除法では手間がかかるとき。
ユークリッド法は、2つの数を使って「割り算の余り」を計算しながら進める、効率的な最大公約数の求め方です。
手順が簡単で、大きな数でも素早く計算できます。以下に例題を使って説明します。
例題: 252と105の最大公約数をユークリッド法で求めます。
ステップ1: 252を105で割る
252を105で割り、余りを求めます。
- 252 ÷ 105 = 2余り42
(2は商、42が余り)
このとき、割った数(105)と余り(42)を次に使います。
ステップ2: 105を42で割る
次に、105を42で割り、再び余りを求めます。
105 ÷ 42 = 2余り21
(42が割る数、21が余り)
ステップ3: 42を21で割る
さらに、42を21で割り、余りを求めます。
42 ÷ 21 = 2余り0
(余りが0になった)
ステップ4: 余りが0になったら終了
余りが0になったとき、最後に割った数(21)が最大公約数です。
答:252と105の最大公約数は21です!
- ユークリッド法では、余りが0になるまで割り算を繰り返します。
- この方法は、桁数が多い大きな数字の計算にも適しており、スピーディーに解けます。
- 計算を間違えないよう、割る数と余りを順番に入れ替えて進めましょう!
最大公約数を簡単に求めるテクニックの使い分け
- 小さい数字(10以下) → リストアップ法
- 中程度の数字(100程度)や複数の数 → 連除法
- 大きな数字(100以上)や桁数の多い数 → ユークリッドの互除法
これらのテクニックを状況に応じて使い分けることがポイントです。
どの方法を使うか迷った場合には、問題の条件や数字の大きさに応じて最適な方法を選ぶ練習を繰り返しましょう。
中学受験では、これらのスキルを活用することで、算数全般の得点力を高めることができます。
よくある質問を解決!最大公約数の疑問Q&A
最大公約数の求め方に関するよくある疑問は下記の通り。
ここからそれぞれの疑問について、1つずつ詳しく解説していきます。
「最大公約数」と「最小公倍数」の違いを簡単に説明
意味: 2つ以上の数に共通する約数のうち、一番大きい数のことです。
例: 12と18の最大公約数は6です。
これは、12と18の両方を割り切れる数(1, 2, 3, 6)の中で一番大きな数だからです。
使いどころ: 物を均等に分けるときや、余りのない分配を考えるときに使います。
違いのポイント
- 範囲: 最大公約数は数の「約数」、最小公倍数は数の「倍数」を考えます。
- 大小関係: 最大公約数は「数より小さい」場合が多いですが、最小公倍数は「数以上」の値を取ります。
電卓やアプリで最大公約数を計算してもいいの?
電卓やアプリを使って最大公約数を計算すること自体は問題ありません。
特に家庭学習や練習問題を解く際に、答え合わせや計算の確認を行う目的で利用するのは効率的です。
ただし、中学受験の本番では電卓の使用が禁止されているため、自分の手で正確に計算できる力をつけておくことが最も重要です。
練習問題の答え合わせ
手計算で最大公約数を求めた後、電卓やアプリを使って答えが正しいか確認することは、ミスを減らし、計算力を磨くのに役立ちます。
- 例: 「252と105の最大公約数は21」と手計算したら、アプリで確認して正解かどうかをチェック。
大きな数の練習
桁の多い数字での計算を練習する場合、手計算では時間がかかるため、電卓やアプリで短時間で結果を確認し、概念を理解するのに使えます。
計算方法の理解補助
アプリによっては、ユークリッドの互除法や素因数分解の手順を表示するものもあります。計算過程が見られると、なぜその
中学受験では、手計算でスピーディーかつ正確に最大公約数を求める力が求められます。そのため、リストアップ法やユークリッドの互除法などをしっかり練習しておく必要があります。
電卓やアプリを使うと、計算手順の理解が曖昧になりやすいので、基本的な計算方法は必ず自分でできるようにしておきましょう。
バランスが大切
電卓やアプリは便利な道具ですが、それに頼りすぎると手計算力が鍛えられません。
本番で焦らないためにも、普段は手計算を優先し、確認や補助的な目的で電卓やアプリを活用すると良いでしょう。
応用問題で間違いやすいポイントとその対策とは?
応用問題で最大公約数を使う際には、いくつか間違いやすいポイントがあります。これらのミスを事前に知り、適切な対策を立てることで、試験での失点を防ぐことができます。
素因数分解や連除法を使用する際に、数字を書き写し間違えたり、不必要に計算を省略したりすると、誤った答えを導きやすくなります。
このようなミスを防ぐためには、一つ一つの計算を丁寧に行い、途中経過を紙に明確に記録する習慣をつけることが大切です。
最小公倍数との混同がよく見られます。例えば、24と36の最大公約数を求める問題で、誤って最小公倍数である72を答えにしてしまうケースがあります。
最大公約数は「共通する約数の中で一番大きい数」であるという基本を常に意識することが重要です。
たとえば、「3つの数を等しく分けるための最大の単位は何か」といった問題では、与えられた条件を正しく理解しないと、最大公約数を使うべき場面を見落とす可能性があります。
問題文を読む際には、「均等」「共通」といったキーワードに注目し、それが最大公約数を使うヒントになると意識することが対策になります。
応用問題では、問題の流れを一気に進めようとするとミスが増える傾向があります。
特に試験本番では時間に追われがちですが、計算手順を飛ばさず、落ち着いて取り組むことが必要です。
また、練習段階で似たような問題を数多く解くことで、出題パターンに慣れておくことも有効です。このような準備が、試験本番での成功につながります。
最大公約数を求める例題【基礎から応用まで】
30と45のそれぞれの約数と公約数、最大公約数を求めよ。
解説1(リストアップ法による):
30の約数:1、2、3、5、6、10、15、30
45の約数:1、3、5、9、15、45
より公約数:1、3、5、15
最大公約数:15
解説2(連除法による):
最大公約数は15となります。
では公約数は?
公約数は最大公約数の15の約数を求めれば良いのです。
15の約数は1、3、5、15で、これが30と45のそれぞれの約数です。
両方の数字が大きい場合、リストアップ法は大変です。
まず連除法で最大公約数を求め、その約数を求めれば簡単です。
28と42のそれぞれの約数と公約数、最大公約数を求めよ。
解説1(連除法による):
最大公約数は14となります。
では公約数は?
公約数は最大公約数の14の約数を求めれば良いのです。
14の約数は1、2、7、14で、これが28と42のそれぞれの約数です。
たてが30cm、よこが45cmの長方形の紙があります。この紙から同じ大きさの正方形を紙が余らないようにに切り取ります。正方形をできるだけ大きくするには、1辺を何cmにすればよいでしょうか。また、このとき何枚の正方形を切り取ることができますか。
解説1(連除法による):
最大公約数は15となります。
同じ大きさの正方形を紙が余らないようにに切り取るには1辺を15cmにすれば良いことがわかります。
たて30cmからは2枚、よこ45cmからは3枚の正方形を切り取ることができます。したがって合わせて 3✖️2=6枚の正方形を切り取ることができます
答え:1辺を15cmにする。6枚の正方形を切り取ることができる
りんご28個とみかん42個の両方を、できるだけ多くの子供に平等に分けます。余りがないように分けると、何人の子供に分けることができますか。
解説1(連除法による):
できるだけ多くの子供に平等に分け、余りがないように分けることから最大公約数(子供の人数)を求めます。
連除法によ理、最大公約数(子供の人数)は14名となります。
答え:14名
標準問題
解説1(連除法による):
最大公約数は28となります。
答え:28
では公約数は?
公約数は最大公約数の28の約数を求めれば良いのです。
28の約数は1、2、4、7、14、28で、これが168と140のそれぞれの約数です
解説(連除法による):
最大公約数は12となります。
では公約数は?
公約数は最大公約数の12の約数を求めれば良いのです。
12の約数は1、2、3、4、6、12で、これが72と84のそれぞれの約数です。
答え:1、2、3、4、6、12
応用問題
解説(連除法による):
ある数は105と126の公約数で、そのうち一番大きい数(最大公約数)を求めれば良い。
連除法で105と126の最大公約数を求めると、最大公約数は21となる。
答え:21
解説:
求める数は、118ー10=108と82ー10=72の公約数のうち、あまりの10より大きい数である。
108と72の約数は、最大公約数36の約数であることを利用します。
36の約数は1、2、3、4、6、9、12、18、36で、このうち10より大きいのは12、18、36となる。
答え:12、18、36
解説:
求める数は、92ー8=84と218ー8=210の公約数のうち、あまりの8より大きい数で、一番小さい数である。
84と210の約数は、最大公約数42の約数であることを利用します。
42の約数は1、2、3、6、7、14、21、42で、このうち8より大きいくて一番小さい数は14となる。
答え:14
まとめ【最大公約数の簡単な求め方】
このブログでは、中学受験に役立つ「最大公約数」の基本から応用までをわかりやすく解説しました。
最大公約数の意味や簡単な求め方を学び、リストアップ法、連除法、ユークリッドの互除法などの計算方法を使い分けるコツを紹介しています。
また、最大公約数を活用した応用問題の解き方や、間違いやすいポイントへの対策も具体的に説明しました。
さらに、視覚的な学びや便利なテクニックを取り入れることで、楽しく効率的に学べる方法を提案しています。
これらを実践することで、計算力が向上するだけでなく、試験でも得点源として活かせる力が身につきます。
最大公約数の知識をしっかり定着させ、中学受験を成功に導きましょう!
「中学受験パスポート」参考記事
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