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食塩水の濃度計算で陥りやすい5つの落とし穴とは
中学受験の算数では、「割合」と並んで頻出のテーマが食塩水の濃度計算です。
公式そのものは決して複雑ではありませんが、問題のバリエーションが多く、ちょっとした思い違いで答えを間違えてしまうケースが少なくありません。
特に、小学6年生がつまずきやすいポイントにはいくつかの「陥るわな」が存在します。
この記事では、家庭での学習指導に役立つよう、子どもたちが実際によく間違える5つのポイントを具体的にご紹介します。
食塩水の濃度計算は、基本公式の理解が何より重要です。まだ計算方法や公式の使い方があやふやな方は、まずは以下の記事で基礎をしっかり押さえておくのがおすすめです。
👉 食塩水の濃度の計算方法とは?公式の覚え方もわかりやすく解説します
単位がそろっていないと正確な計算ができない
食塩水の問題では「体積」と「重さ」が混在して出てくることがあります。
たとえば「100mLの水に食塩10gを入れる」といった問題で、単位の違いに気づかず計算してしまうケースが多くあります。
このような場合、水の体積(mL)は水の重さ(g)と同じとみなしてOKというルールがあります。
つまり、100mLの水は100gと考えます。
単位がバラバラなままでは、計算結果がずれてしまうため、すべての数値をg(グラム)で統一することがポイントです。
水と食塩を混同すると全体の重さを間違える
濃度の公式に出てくる「全体の重さ」とは、水+食塩の合計です。
しかし、計算に慣れていないお子さんは、水の重さだけで全体を出してしまうミスをしがちです。
たとえば「水200gに食塩20gを入れる」とあった場合、全体の重さは220gになります。
これを200gとして計算すると、濃度が低く出てしまい、答えが不正確になります。
保護者の方が「水と食塩、それぞれの重さをちゃんと足しているかな」と声をかけてあげるだけでも、大きなミスを防げます。
混ぜた食塩水の濃度は単純平均では出せない
「5%と15%の食塩水を混ぜたから10%!」という答え方、よくあります。
気持ちはわかりますが、これは重さを無視した間違いです。
たとえば、5%の食塩水が300g、15%の食塩水が100gある場合、5%のほうが多く入っているので、全体の濃度は10%よりも低くなります。
このように、重さの比を考えない単純な平均はNGです。
正しい解き方は、それぞれの食塩の量を出して合計し、それを全体の重さで割ることです。
この「重み付き平均」の考え方を覚えておくと、入試問題でも確実に得点できます。
公式の丸暗記では応用問題に対応できない
食塩水の濃度計算には基本の公式がありますが、そのまま覚えても、問題の聞かれ方が変わると対応できないことがあります。
たとえば、「濃度=食塩の量÷全体の重さ×100」はよく使いますが、「食塩の量を求める」場合や「全体の重さを求める」場合には、式を変形しなければいけません。
食塩の量=全体の重さ×濃度÷100
全体の重さ=食塩の量÷濃度×100
このように、状況に応じて式を使い分ける力が大切です。お子さんが「何を求めているのか」に応じて、適切な式を選べるようになることを目指しましょう。
%表示を数値として正確に扱えていない
「3%」という濃度を「0.03」として使えず、「3」で計算してしまうお子さんも少なくありません。これは小数の感覚がまだ身についていない段階でよくある誤りです。
そういった場合には、「3%=3/100」と分数に置き換えて計算する方法がおすすめです。たとえば、200gの食塩水の3%なら「200×3/100=6g」と求めることができます。
お子さんにとって扱いやすい形で計算させることが、ミスを防ぐ一番の近道です。
この記事のまとめ
中学受験の算数で頻出の食塩水の濃度計算は、一見シンプルなようでいて、実は多くの子どもたちが同じようなポイントでミスをしています。今回ご紹介した「陥る5つのわな」を事前に知っておくだけで、ケアレスミスの大半は防ぐことが可能です。
✔ よくある失敗ポイント
単位(gとmL)をそろえずに使ってしまう
「水+食塩=全体の重さ」であることを見落とす
食塩水を混ぜる問題で単純平均してしまう
公式を暗記しても使い分けができない
「%」の数値をそのまま扱って計算してしまう
これらのミスは、基本を正しく理解すれば確実に減らすことができます。保護者の方が、単なる暗記や計算練習ではなく、「なぜこの式になるのか」まで確認しながらサポートすることが、子どもの力を伸ばす大きなポイントです。
まずは公式と考え方の基本を固めたい方は、以下の記事もあわせてお読みください。
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